記事の筆者
SEMLabo.編集部株式会社オロ Semrushチーム
● 市民権・政府・法律
● 金融・財産
● 買い物・ショッピング
● 医療・健康・安全
● 人々の集団・グループ(人種・宗教・国籍など)
● その他(サプリメントや就職など)
以下に、それぞれのジャンルの具体的な内容についてご説明します。
国際的なニュースや災害に関する情報、時事問題など人々の生活や意思決定に大きな影響を与えるものです。例えば、戦争や紛争、地震や気候変動などに関するニュースは、情報が不正確だと人々の生活や意思決定に大きな混乱を引き起こすため、YMYLに該当します。一方、エンターテイメントやスポーツなどに関するニュースは、人々の生活や意思決定への影響が小さいため、YMYLとして扱われない場合も多いです。
選挙や政府機関、公的機関、社会福祉、法的問題(離婚、子どもの親権、養子縁組、遺言書の作成)などに関するものです。これらに関するコンテンツは、誤った情報によって人々の市民生活が妨げられたり、正しい行政サービスを受ける権利が損なわれないように厳格に評価されます。
株・為替などの投資や税金、退職後の生活設計、ローン、銀行、保険、仮想通貨などに関する情報を扱うものです。これらの金融や財産に関するコンテンツは、人々のお金に与える影響が大きいため、YMYLとして扱われます。特に、オンラインで商品・サービスの購入や送金ができるページはYMYLに該当します。
インターネットショッピングに関するものです。商品やサービスの購入および決済ができるECサイトやオンラインで送金・決済ができるページもこれに含まれます。特に、高額な商品やサービスに関するものは、人々のお金や人生への影響が大きいため、YMYLに該当します。
健康や病気・メンタルヘルスなどの医療問題や病院、薬、緊急時の備え、活動の危険性などに関するものです。医療・健康・安全に関する情報は、人々の生命にもかかわるため、YMYLの中でも特に厳格に評価されます。情報の正確さや信頼性が最も問われるジャンルのひとつです。
国籍や人種、民族、宗教、性別、年齢、地位などに関するものです。これらの話題は、誤解や差別を招くような表現や情報によって、争いやトラブルを起こす恐れもあります。人々の権利や平等にかかわるジャンルであるため、慎重に取り扱うことが求められます。
そのほかには、フィットネスや栄養、サプリメント、住居情報(引っ越し、住宅の購入)、大学の選択、就職など、人生の大きな決定や重要な局面に関連する情報がYMYLに該当しやすいジャンルです。ただし、これらに関する情報がすべてYMYLであるというわけではありません。反対に、これ以外のジャンルがYMYLにまったく該当しないというわけでもありません。
上記したジャンルだけでなく、人々の生活や意思決定に深くかかわる内容であれば、YMYLコンテンツとして検索エンジンから扱われる可能性が高く、正確さや信頼性の高いコンテンツ制作を常に心がけることが大切です。
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YMYLの歴史は、Googleのアップデートと密接に関係しています。Googleはそもそも、ユーザーの利便性を第一に考える「ユーザーファースト」を掲げ、ユーザーに有益なサイトを検索上位に表示させるアルゴリズムを追求してきました。
しかし、一部のサイト運営者の間で、検索エンジンの特性を悪用し、ユーザーの役に立たない低品質なサイトを上位表示させる手法が多く用いられるようになりました。そこで、Googleは低品質なサイトやコンテンツを検索結果から除外する新しいアルゴリズムを開発し、大規模なアップデートを実施したのです。
代表的なアップデートには
●2011年2月のパンダアップデート
●2011年12月のフレッシュネスアップデート
●2017年2月の"ウェルク"アップデート
などがあります。それぞれのアップデートの特徴は、次の通りです。
Googleが2011年2月に実施した検索エンジンアルゴリズムの大規模なアップデートです。日本では2012年7月から導入されています。パンダアップデートでは、次のような低品質なサイトを検索結果から除外するアルゴリズムが実装されました。
● 自動生成された内容の薄いページ
● 広告の占める割合が高く情報量が少ないサイト
● 無断でコンテンツを複製したコピーサイト
これによって、低品質なサイトは検索上位から次々と除外されました。このアルゴリズムは現在の検索エンジンにも組み込まれています。
2011年12月のフレッシュネスアップデートでは、「情報の新鮮さ(フレッシュネス)」を評価する新しいアルゴリズムが実装されました。
同じキーワードで検索された複数のコンテンツの中でも、情報がより新しく正確さ・信頼性の高いコンテンツを高く評価するというアルゴリズムです。
フレッシュネスアップデートでは、主に次のようなコンテンツが大きく影響を受けました。
● オリンピックや大会、祭りなど定期的に開催されるもの
● 毎日の気象情報や防災情報など繰り返し更新されるもの
これらに関するコンテンツは、ユーザーが最新の情報を求めていることから、Googleは情報の新鮮さを重要な指標に掲げています。
2017年2月の"ウェルク"アップデートは、日本限定で実施されたアップデートです。
"ウェルク"アップデートでは、内容が十分検証されていないにもかかわらず、文字数の多いコンテンツを量産して上位表示させていたキュレーションサイト(まとめサイト)の多くが検索結果から除外されました。
特に、医療・健康系に関するコンテンツに大きな影響を与え、現在のYMYLにもつながる大規模なアップデートとして知られています。
"ウェルク"アップデートが実施されたのは、日本のIT大手企業が運営していた「ウェルク」というキュレーションメディアがきっかけです。
ウェルクは当時、医療系オウンドメディアとしてさまざまなキーワードで検索上位を占め、膨大なアクセスを集めていました。
しかし、そのコンテンツには次のような問題点がありました。
● 医学的に根拠のない内容を掲載している
● 薬機法に違反する内容を掲載している
● 他サイトのコピーやリライトによるコンテンツが大半を占める
● 専門知識のないライターに外注してコンテンツを量産している
このような問題点が多くの指摘を受け、2016年末にウェルクはすべての記事を非公開にし、やがてサイト自体も閉鎖されました。さらに、ウェルク以外にも複数のキュレーションサイトが閉鎖される事態に発展しました。
ウェルクが展開していた医療・健康系ジャンルは、人々の生命にかかわる重要な領域です。正確さや信頼性の低い情報を発信することは、ユーザーに多くの混乱を引き起こし、人々の生命にも大きな影響を与える恐れがあります。
Googleは"ウェルク"アップデート以降、専門性のないライターが執筆した医療・健康系コンテンツの多くを検索結果から除外し、専門家が執筆した信頼性の高いコンテンツを高く評価するアルゴリズムを導入しています。
このようなGoogleのアップデートを理解したうえで、YMYLコンテンツのSEOを考える必要があります。
Googleは、ユーザーにとって有益で高品質なサイトをより高く評価し、ユーザーの検索意図に最適な検索結果を表示させるよう常にアルゴリズムを更新しています。なかでも、YMYLに該当するジャンルは、人々のお金や人生に与える影響が大きいため、厳格な基準で評価しています。
Googleの検索品質評価ガイドラインによると、Googleが特に重要視しているのが「E-A-T」という3つの指標です。
E-A-Tとは、次の3つの頭文字を取ったものです。
● Expertise(専門性)...専門性の高いコンテンツであるかどうか
● Authoritativeness(権威性)...コンテンツの発信者が信頼できる人物・メディアであるかどうか
● Trustworthiness(信頼性)...信頼性の高い情報が掲載されているコンテンツであるかどうか
この3つの要素を満たすコンテンツをGoogleは高く評価しています。特に、YMYLコンテンツは情報の正確さや信頼性が重要になるため、E-A-Tを満たすことが必須とされています。
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E-A-Tを踏まえたうえで、YMYLコンテンツのSEO対策で重要なポイントには、次の8つがあります。
以下に、一つひとつ詳しく解説します。
一つのジャンルに特化してExpertise(専門性)の高いサイトづくりを行うことが大切です。雑多なジャンルを扱うよりも、一つのジャンルに特化して内容を掘り下げた方がより専門性が高いサイトになります。
「このサイトは〇〇について専門性が高い」と思われるサイトづくりができれば、検索エンジンからもユーザーからも評価されやすく、SEO対策の効果も上がりやすくなります。
また、YMYLコンテンツと非YMYLコンテンツを混合すると、検索エンジンがどのような情報を発信しているサイトなのかを判断しづらいため、取り扱うジャンルははっきりさせた方がよいでしょう。
サイトの専門性を高めるためには、そのジャンルの第一人者や専門家が執筆・監修したコンテンツを公開することも効果的です。専門家が執筆・監修したコンテンツは、Authoritativeness(権威性)を高めることにも役立ち、ユーザーに有益な情報を提供することにもつながります。
医療に関するコンテンツなら医師、法律に関するコンテンツなら弁護士などに執筆・監修を依頼するとよいです。最近では、医師や法律家によるコンテンツ監修サービスなども提供されています。専門性・権威性を高めるためには、そのようなサービスを利用するのも一つの方法です。
公的機関や正確性の高い情報を根拠にして、Trustworthiness(信頼性)の高いコンテンツをつくりましょう。特にYMYLジャンルは、客観的かつ信頼性の高いデータを根拠とすることで、ユーザーの信頼も得られやすく、説得力のあるコンテンツになります。無断転載やコピーコンテンツは、検索エンジンから低評価を受け、ユーザーからの信頼も失うため厳禁です。
誰が書いたコンテンツか、誰が運営しているサイトなのかも、サイトの評価に大きくかかわります。著者のプロフィールや運営元の情報を充実させれば、サイトの専門性や信頼性も上がり、E-A-T全体の質を向上できます。特に、専門家が執筆・監修しているコンテンツは、ユーザーにもわかるように明示しておくことをおすすめします。
常に最新の情報に更新することは、サイト運営にとって重要な要素の一つです。新しい情報であることはコンテンツの信頼性にもつながります。Googleも情報を定期的に更新しているサイトを高く評価しています。
特に、毎年定期的に開催されるイベントの情報や進歩が著しい医療・薬品関係の専門領域は、情報の新鮮さが重要です。更新の際には、更新日も明記しておくとよいでしょう。
コンテンツだけでなく、お問い合わせやFAQ(よくある質問)、利用規約・プライバシーポリシーなど、サイト全体の各種情報を充実させることも大切です。例えば、ECサイトなら運営者情報や特定商取引に基づく表記はもちろん、キャンセル・返金ポリシーのページも必須です。そのほか、メディアで取り上げられた実績や利用者の声も掲載できれば、第三者の評価を裏付けるのにも役立ちます。
サイトのURLを「http(安全でない接続)」から「https(安全性の高い暗号化通信)」に移行する常時SSL化は、サイトの基本的なセキュリティ対策として推奨されています。特に、個人情報やオンラインでの決済・送金を扱うショッピングサイトでは必須です。常時SSL化でサイトの安全性を高め、ユーザーが安心して利用できるサイトにしましょう。
信頼性の高いサイトからの被リンクや専門性の高いユーザーからの言及は、SEOにとってプラスの評価につながります。また、Googleマップや検索結果に店舗・企業情報を掲載できる「Googleマイビジネス」を活用して、よい口コミを集めることも可能です。Googleマイビジネスとサイトを連携させることで、SEO対策の効果もアップします。
【Semrushでできること】
・自社サイトのテクニカルSEO分析(YMYL、スピードチェック、重複コンテンツ)
・自社サイトと競合サイトとの流入ワード差分
・競合と自社の検索表示順位推移(ポジション・トラフィック)
・競合サイトのSEO分析
・競合サイトの流入ワード分析
など
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YMYLは通常のコンテンツに比べ、情報の正確さや信頼性が問われるため、E-A-T(専門性・権威性・信頼性)の質を高めることが大切です。この記事でご紹介した8つのポイントを押さえれば、YMYLでもSEOに強いコンテンツを作成することができるようになります。E-A-Tの質を高め、検索エンジンからもユーザーからも評価されるサイトづくりを心がけましょう。
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