半期末に見直したいデータの予実管理。押さえるべき3つのポイント
早いもので、今年ももうすぐ上半期が終わりますね。6月は多くの企業にとって、半期の締めくくりであると同時に、下半期の戦略を練り直す重要なターニングポイントです。「上半期の目標は達成できそうか?」「下半期に向けて、どの分野に力を入れていくべきか?」など、経営者や事業責任者の皆様は、様々な分析や意思決定に追われているのではないでしょうか。半期末は、これまでの数字を振り返るだけでなく、「これからの意思決定の精度」を左右するタイミングでもあります。
しかし、その重要な意思決定の基盤となる「データ」は、正確に、そしてリアルタイムに把握できていますか?「各プロジェクトの進捗は担当者に聞かないとわからない」「請求書を締め切って、経費をすべて集計してみないと、結局いくら利益が出たのかわからない」――。もし、このような「終わってみないとわからない」状態に心当たりがあるなら、今がまさに経営の仕組みを見直す絶好の機会です。
この記事では、半期末というタイミングだからこそ取り組むべき、データに基づいた予実管理の方法を紹介します。
6月は上半期の振り返りと下半期への重要な折り返し地点
まずは、なぜ「半期末」というタイミングが重要なのか、改めて考えてみましょう。
期末の決算とは異なり、半期末は下半期という残り時間があることが大きな特徴です。上半期の売上や利益、各プロジェクトの進捗状況といった「結果」を詳細にデータ分析することで、単に「良かった」「悪かった」で終わらせず、具体的な課題や成功要因を明らかにできるでしょう。
例えば、「想定より利益率が低いプロジェクトはどれか」「逆に、非常に収益性が高かった案件に共通点はないか」「どの部門の経費が計画をオーバーしているか」といった点を洗い出せます。
この分析結果をもとに、下半期に向けて、「不採算案件から撤退する」「好調な分野にリソースを集中投下する」「経費削減の具体的な目標を設定する」といった、的確な軌道修正を行えます。
この半期末の振り返りと軌道修正が、年間の目標達成の成否を分けるといっても過言ではありません。
なぜ?多くの企業が陥る「終わってみないと利益がわからない」問題
しかし、頭では重要だとわかっていても、多くの企業が正確な予実管理、特に利益のリアルタイムな把握に苦戦しているのが現実です。その主な原因は、社内のデータ管理体制にあります。
散在するデータとExcel管理の限界
社内では、プロジェクトに関するデータが様々な場所に散らばっていませんか?
- 見積書や受注情報:営業担当者が個別にExcelで管理
- 社員の工数(稼働時間):勤怠管理システムや、別のExcelシートで管理
- 外注費や経費:経理部門が会計ソフトで管理
このように、見積・実績・経費といったプロジェクトの採算を計算するために必要なデータがバラバラになっていると、それらを集めて集計するだけでも膨大な時間と手間がかかるものです。担当者が手作業でExcelにデータを入力し、関数を駆使してレポートを作成する...というプロセスでは、どうしてもタイムラグが発生します。
その結果、ようやく 利益が確定した頃には、もうプロジェクトが終わっており、「実は赤字だった」と発覚してしまうことも。また、Excel管理は属人化しやすく、担当者が変わると誰もメンテナンスできなくなるというリスクも抱えています。
勘と経験「だけ」に頼った判断のリスク
データがリアルタイムに把握できないと、どうしても過去の勘や経験「だけ」に頼った意思決定を下しがちになります。
勘や経験も重要な判断基準ではありますが、「このタイプの案件は儲かるはずだ」「あのクライアントはいつも大丈夫だから」といった思い込みによる判断は、時に大きな失敗を招きます。
市場環境やコスト構造が常に変化する現代において、データという客観的な事実に基づかない意思決定は、気づかぬうちに会社の体力を奪っていく危険性をはらんでいるのです。
脱却の鍵は3つの管理
では、どうすれば「終わってみないと利益がわからない」状態から脱却できるのでしょうか。その答えは、
- 必要なデータの一元管理
- プロジェクトごとの採算管理
- プロジェクトの進捗中における予実管理
の3つのポイントを押さえることです。
会社全体の売上や利益を見るだけでは、どのプロジェクトが利益を生み、どのプロジェクトが足を引っ張っているのかを見極めることはできません。個々のプロジェクト単位で、データの管理を徹底することで、半期の数字の解像度が格段に上がります。
①必要なデータの一元管理
まず、プロジェクト管理に必要なあらゆるデータを一つのシステムに集約することが第一歩です。具体的には、以下のようなデータです。
- 見積データ: 受注時の売上予算や原価予算
- 実績データ: 社員がどのプロジェクトに何時間費やしたかという「工数」
- 原価データ: 外注費、経費、その他プロジェクト遂行にかかった諸経費
これらのデータが一元管理されることで、「現時点での利益」が可視化されます。
②「プロジェクトごと」の採算管理
データが一元化されたら、次に取り組むべきは「プロジェクト単位」での細かな採算管理です。
多くの企業では、部門単位の経費や全体の売上は把握できていても、「どの案件がどれだけ利益を出しているか」という個別具体的な状況は不透明になりがちです。プロジェクトごとに売上、外注費・経費といった原価、そして社員の稼働工数から算出される「労務費」を正確に紐づけることで、初めて「真の利益」が見えてきます。
これにより、「売上規模は大きいが、実は社員の工数がかかりすぎていて実質赤字になっている案件」や、逆に「規模は小さいものの、非常に利益率が高い優秀な案件」を正確に見極めることが可能になります。下半期にどの分野のリソースを厚くすべきか、明確な指針を得られるのです。
③プロジェクトの進捗中における予実管理
最後は、当初の予算(予定)と現在の進捗(実績)を常にセットで可視化し、リアルタイムに比較できる状態を作ることです。
プロジェクトが完全に終了してから「結果的に予算オーバーでした」と気づくのでは手遅れと言えるでしょう。重要なのは、プロジェクトの進行中に「当初の予定に対して、現在どれくらいのコスト(工数や経費)を消化しているか」「このペースで進むと、最終的な着地見込み(最終利益)はどうなるか」を常に把握しておくことです。
予定と実績のズレを進行途中で早期に発見できれば、「作業工程を見直して今後の工数を削減する」といった、先手先手の対策を打てます。
3つのポイントを押さえたクラウドERP「ZAC」
ここまで解説した「①必要なデータの一元管理」「②プロジェクトごとの採算管理」「③プロジェクトの進捗中における予実管理」という、精度の高い予実管理への移行を強力にサポートするのが、本ブログを運営する株式会社オロが提供するクラウドERP「ZAC」です。
ZACは、プロジェクトを軸にして、見積・受注・売上といった「販売管理」から、仕入・経費といった「購買管理」、そして社員の勤怠・工数といった「リソース管理」までを、ひとつのシステムで統合管理できるのが最大の特徴です。
営業担当者やプロジェクトのメンバーが、日々の業務の中でZACにデータを入力するだけで、システム内で自動的に各種情報が紐づきます。その結果、プロジェクトごとの最新の収支状況や利益着地見込みが可視化されます。またZACに一元化されたデータをBIツールで可視化するQuickSight連携オプションをあわせて導入することで、迅速に数字の分析を進められます。
これにより、煩雑なExcel集計作業やデータのグラフ化から解放されるだけでなく、経営層から現場のプロジェクトマネージャーまで、常に「同じ最新のデータ」に基づいた、迅速かつ的確な意思決定が可能になります。
半期末を機に、データを味方につける管理へ
今回は、半期末というタイミングを機に、多くの企業が抱える「利益が見えない」という課題と、解決に向けて押さえるべきポイントについて解説しました。
もしも下半期に向けての打ち手が見えない・軌道修正に時間がかかっていると感じていたら、ぜひデータを味方につける管理体制を検討してみてください。