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プロジェクト予算管理とは?進め方や管理のコツを解説

2025/6/20公開

プロジェクトを円滑に進め、計画通りの利益を生み出すためには、プロジェクト予算管理が欠かせません。プロジェクト予算管理では、予算の計画から実行中の進捗確認、予算と実績の差の分析までを行います。

しかし、多くの現場では、計画予算通りにプロジェクトを進めることが難しく、思わぬズレに直面することも少なくありません。そこで本記事では、どのような点に気をつければプロジェクト予算管理をうまく進められるのか、ポイントを紹介します。プロジェクト予算管理の方法やコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

プロジェクト予算管理とは

プロジェクト予算管理とは、計画段階で予算を設定したうえで、実行中も継続的にコストを監視し、実績との差異を早期に把握・是正するプロセスを指します。

適切な予算管理を行うことで、スコープや品質・納期を維持しつつ、コスト超過を防ぐことができるため、結果的にプロジェクトの成功に貢献します。逆に、予算管理が行われなければ、リソースを不要に確保したり、赤字プロジェクトになったりといった不利益が考えられます。

リソースを無駄なく活用してプロジェクトを成功させ、企業として利益を得るために、プロジェクト予算管理は欠かせないものです。

プロジェクト予算管理のメリット

プロジェクト予算管理のメリットは、コストの無駄を抑えながら進捗のズレにも早期に対応できる点です。結果として、プロジェクト全体の成功率を高められます。

プロジェクトは、リソースを効率的に活用し、決められた期限までに求められる品質の成果物を出す必要があります。これらの条件を満たすためには、適切なプロジェクト予算管理が欠かせません。

また、適正に管理できているプロジェクトなら、過去の事例として将来的に活用可能です。蓄積されたデータは、次回以降の計画立案時に役立ち、精度の高い予算計画やスケジュール策定につながります。

プロジェクト予算管理が重要な理由

プロジェクト予算管理がプロジェクト進行において重要な理由は、主に以下の3点です。それぞれ詳しく解説していきましょう。

予算オーバーを防ぐため

プロジェクト予算管理では、計画段階で予算を設定し、進捗を定期的に追跡していきます。そのため、リアルタイムで予算消化状況を把握できるようになるのです。

もし問題が起こっていれば早期に発見でき、無駄なコストを抑えられます。その結果、プロジェクトの成功率を高めることが可能です。

利益目標を達成するため

予算を適切に管理できれば、リソースの効率的な活用と無駄なコストを削減できます。

企業には利益目標が非常に重要です。プロジェクト予算管理を行うことで、目標達成に向けて現状どれくらいの利益が見込めるのかを迅速に把握できるようになります。また現状の数値を把握することで、利益目標の達成に向けて次にどのようなアクションが必要か明確にできます。

リソース管理の適正化のため

3つ目の理由は、リソース管理の適正化を行えることです。あらかじめ適正な計画を立てられれば、工数の偏りを防止し、特定のメンバーへの負担集中を回避できます

適切なリソース配分により、社内全体のプロジェクトの生産性向上とチームメンバーにとっての働きやすい環境整備が叶い、従業員の不満を減らせるでしょう。 その結果、チームのモチベーション向上につながり、プロジェクトの円滑な進行が実現できます。

予算管理と予実管理の違い

プロジェクトにおいては「予算管理」と「予実管理」の両方が欠かせません。

「予算管理」は、プロジェクトの計画段階で費用の見積もりやリソースの配分を行い、目標達成に向けた道筋を明確にする重要なステップといえます。

一方の「予実管理」は、事業やプロジェクトごとの予算と実績を比較し、進捗状況を把握して適切な意思決定を行うための重要なプロセスです。予算管理は計画に重点を置き、予実管理は実績把握とその後の意思決定に重点を置いている点が異なります。

一般的には、プロジェクト予算管理のなかに予実管理が含まれているケースが多く、特に予算と実績の差異分析はプロジェクトの成功に大きく関わる要素として重要視されています。

プロジェクトにおける予算の立て方から管理までの流れ

プロジェクトで予算管理を行うためにはいくつかのステップがあります。予算の立て方から、プロジェクト進行中の管理方法までステップごとに詳しく見ていきましょう。

予算編成

まずは、プロジェクトの目標やスコープをもとに、必要なコストを見積もり、適切な予算を設定します。リソース配分やリスクを考慮し、現実的で実現可能な計画を立てることが重要です。

過去の類似プロジェクトを参考にすることで、予算の精度を上げられます。過去のデータを活用することで、予測の精度を高め、予期しないリスクを減らすことが可能です。予測と実績で差分が生じた場合は、予算配分を再検討するなどルールを設けるとより良いでしょう。初期段階でしっかりとした予算編成を行うことが、プロジェクト成功への第一歩です。

プロジェクトの実施

予算を編成したら、計画に沿ってプロジェクトを進行していきます。その後の進捗確認や振り返りを行うためにも、プロジェクト開始以降、使用した経費やかかった工数はこまめに記録し、正確なデータを収集しておくことが大切です。

これにより、リアルタイムで状況を把握できるようになり、必要な改善策を迅速に講じることが可能となります。

進捗確認

予算と実績を定期的に比較し、ズレが生じていないか確認します。リソース不足や作業の遅れなど、差分があれば原因を分析し、必要に応じて調整を加えましょう。これによって、プロジェクトの進行がスムーズに保たれ、成功率向上につながります

ただし、一定の差分は生じるものであるため、どの程度の差分まで許容できるのかを決めておくことが肝要です。

振り返り

プロジェクトの成果や課題を振り返り、次のプロジェクトの改善につなげます。予算や進捗の差異を分析し、今後の計画に活かしましょう

例えば、コストが予算オーバーしている場合や納期に間に合わなかった場合、見積もりが甘かったのか、それとも無駄なコストや工数がかかっているのかといった分析が必要です。

プロジェクト予算管理にありがちな課題

プロジェクト予算管理を行ううえで、直面しやすい課題がいくつかあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

現状把握が難しい

リアルタイムでコスト状況を把握できないと、集計や確認が後手に回り、予算超過に気づくのが遅れてしまう可能性があります。特に、手動でデータを集計している場合、部署ごとの連携にもタイムラグが発生し、プロジェクト全体の現状把握が難しくなります。

データの集計や作成に手間がかかる

Excelなどで手作業の管理を行うと、入力ミスや更新漏れが発生しやすくなります。また、集計に必要なデータが社内に分散している場合、データ元を参照する手間も必要です。どれが最新データなのかわからず確認に手間取ってしまう可能性もあります。

管理が属人化してしまう

プロジェクト予算管理を一部の担当者だけで行っていると、業務が属人化してしまい、他の従業員では進捗や管理方法がわからなくなりがちです。属人化した業務は、プロセスも不透明で明文化されていないことが多いため、引き継ぎも容易ではありません。

特に、トラブル発生時や担当者の不在時に対応が滞ってしまい、プロジェクト全体に影響を及ぼす可能性もあります。

当初の予算と実際の費用に差異が出る

プロジェクトを進めるなかで、予算と実際にかかる費用がズレることは少なくありません。どのような理由であっても、予算より実績値が多ければ、他の目的で使う予定だった費用を充てたり、他の工程のリソースを削るなどの調整が必要です。

また、調整によって当初の予定通りにプロジェクトが進まなくなる恐れや、プロジェクトが終わってからほとんど利益が残っていなかったといった場合もあります。

プロジェクト予算管理をうまく進めるコツ

さまざまな難しさのあるプロジェクト予算管理ですが、コツを押さえればプロジェクトの成功率を高める管理を行えます。ここからは、プロジェクト予算管理においてのポイントを紹介します。

進捗を定期的に確認する

プロジェクトの各フェーズで予算消化状況をチェックし、早期に問題を発見・対応することがポイントです。早めに問題を発見できれば、予算のずれが少ないうちに手を打てるため、大きなトラブルに発展することを防げます。

プロジェクト開始前に、進捗確認を行う頻度や確認内容などを決めておくと、スムーズな対応が可能です。

予実分析を行う

プロジェクト進行中に予定と実績の差を確認し、想定通りか、許容できる範囲なのか、遅れていても後から取り返せる見込みがあるかどうか分析を行います。プロジェクト終了後でなく、進捗中に行うことで問題が大きくなる前に修正でき、予算と実績の差を埋めやすくなるのです。

コストを可視化する

タスク単位で工数や経費や外注費などのコストを把握し、予算配分の最適化を図ります。それらの情報は、プロジェクト関係者がいつでも確認できるよう管理しなければなりません。誰もが見えるようにしておくことで、全員のコスト意識を高められます

その結果、無駄な作業や予算外の支出に気づきやすくなり、プロジェクト全体のコスト最適化にもつながります。

プロジェクト予算管理ツールを導入する

上述したように、手作業による予算管理は、手間もかかるうえ、属人化リスクも起こりえます。業務を効率化・高精度化し、属人化を防ぐためには、プロジェクト予算管理ツールを活用するのも一つの手です。

例えばシステムであれば、プロジェクトごとのリアルタイムな情報を集約できる機能があり、自動集計を使った効率化もできるため、タイムリーで精度の高い予算管理を実現できます

自社に合ったツールでプロジェクト予算の進捗をリアルタイムで追跡

プロジェクト予算の進捗を正確に追跡するためには、リアルタイムなデータ更新と透明な情報管理が欠かせません。専用の予算管理ツールを導入することによって、進捗を迅速に把握し、予算オーバーを早期に発見できます

例えば、本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP『ZAC』は、入力された情報をもとにプロジェクトごとに予算進捗をリアルタイムに追跡可能です。予算の消費状況も可視化できるため、プロジェクトに関わるメンバーは、データの収集や集計の手間なく、プロジェクトの進捗を把握できます。さらにプロジェクトの管理者は、問題が起こる前に異変を察知し、迅速に対応できます。

まとめ

プロジェクトの予算を設定し、進捗状況を追跡して計画と実績との差をなるべく減らすためには、プロジェクト予算管理が欠かせません。適切な予算管理によって、赤字プロジェクト化を回避できるだけでなく、社内のリソース配分を最適化できる点からも、重要な業務であるといえます。

予算管理は手作業で行われることも多く、効率低下や属人化を招くといった点が課題です。それではタイムリーな管理が難しいため、予算管理に取り組んでいても、赤字プロジェクトになってしまうといった恐れがあります。

そこで、プロジェクト予算管理に特化したシステムの導入がおすすめです。進捗状況やコストをリアルタイムで「見える化」することで、問題の早期発見・迅速な対応が可能になります。また、属人化も防ぎながら業務効率向上を狙えます。

自社に合ったシステムを活用して、確実な予算管理を行い、プロジェクトを成功に導きましょう。

Q
プロジェクト予算管理とは?
A
プロジェクトの計画段階で予算を設定することに加え、計画値に基づいて進捗状況を追跡し、計画と実績との乖離がないよう働きかけを行うことを指します。
詳しくはプロジェクト予算管理とはをご覧ください。
Q
プロジェクト予算管理の課題は?
A
主に以下の4つが課題となりえます。
①現状把握が難しい
②データの集計や作成に手間がかかる
③管理が属人化してしまう
④当初の予算と実際の費用に差異が出る
詳しくはプロジェクト予算管理にありがちな課題をご覧ください。

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この記事の筆者

ライター

矢野 由起

製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

この記事の監修者

株式会社オロ クラウドソリューション事業部 マーケティンググループ長

吉井 惇

2013年株式会社オロに新卒入社。クラウドERP「ZAC」の新規営業、人事採用担当、ZACの姉妹製品「Reforma PSA」のプロダクト責任者を歴任。現在は「ZAC」マーケティンググループのグループ長を務める。

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