プロジェクトの工数管理とは?メリットや効率的な進め方を解説
プロジェクトの工数管理とは
プロジェクトの工数管理とは、事前に工数を見積もったうえで、プロジェクト内の各タスクにどれだけの作業量(時間)がかかっているかを把握し、常に確認できる状態にしておくことを指します。
そもそも工数とは「作業時間×人数」を集計したものであり、プロジェクトにかかる人件費の計算にも必要な情報です。
また単なる時間の集計だけにとどまりません。効率的に業務を進めるための重要な情報(どこに何時間かかっているのか、人員の余剰がないか、過去の実績と比較してどうかなど)として活用できます。原価管理や業務効率化につながる大切な情報です。
工数管理は予定と実績に分けられる
プロジェクトの工数管理では、大きく分けて「予定工数(見積り)」と「実績工数」の2つを管理することが基本です。
- 予定工数(見積り) プロジェクトを開始する前に、各タスクにどれだけの作業時間がかかるかを見積もり、全体のスケジュールやコストを管理するために用います。
- 実績工数 プロジェクト進行中に、実際にかかった作業時間を記録・集計し、予定と実績の差異(予実)を把握するために使用します。
個人や部署単位で行う一般的な工数管理について、詳しくはこちらの記事を参照してください。
プロジェクトの工数管理はなぜ重要?
プロジェクトの工数管理は、計画通りにプロジェクトを進めるために欠かせません。上述した通り、まず予定工数を見積もって計画を立て、プロジェクト開始後は実績工数を管理することになります。これにより、進捗やコストの適切な把握が可能です。
もし予定工数の見積りから大きくずれてしまえば、スケジュールの遅延や、納期に間に合わない恐れがあります。実績工数が把握できていなければ、進捗の遅れに気づけず、対応が後手になる恐れもあります。
また、実績工数を記録していなければ、次に類似プロジェクトを計画する際に、過去の作業時間を参考にできず、適切な見積りができません。その結果、見積り精度が上がらないのです。
さらに、計画していた工数より実績が上回れば、プロジェクトメンバーの疲弊や品質の低下に繋がり、最終的に赤字プロジェクトにもなりかねません。プロジェクトのスケジュール管理のため、メンバーのリソース管理の適正化のため、そして企業の利益確保のために、プロジェクト工数管理は重要なのです。
プロジェクトの工数管理を行うメリット
プロジェクトの工数管理を行うことで、以下4つのメリットが得られます。
プロジェクトの進捗・リソース配分が把握できる
工数を記録・管理することで、誰が・どのタスクに・どれだけ時間をかけているかが明確になります。さらに、各タスクの進捗状況も可視化されるため、プロジェクト全体の進捗をリアルタイムで把握することが可能です。
工数をもとに、メンバーの稼働状況やリソースの配分・過不足を確認できるため、状況に応じた適切な調整にもつながります。
予算配分や利益のコントロールがしやすくなる
工数管理によって、実際にかかった稼働工数を把握できれば、その数値をもとにプロジェクトごとの原価を算出して把握できます。タイムリーに工数を把握できれば、現時点での予算消化状況がわかり、赤字プロジェクトを未然に防ぐことも可能です。
予定工数とのズレにも早期に対応でき、赤字リスクの回避とともに利益率の改善に役立ちます。
メンバーの負荷の偏りが分かる
メンバーごとの工数を比較することで、特定の人やチームに負荷の高い業務や複雑なプロジェクトが偏っていないかが見えてきます。負荷の偏りが把握できれば、その後の適切なタスク配分や業務調整につなげられるのです。
「自分だけ、自チームだけ負荷が高い」といった不満も、プロジェクト工数管理によって解消しやすくなり、チーム全体の生産性やモチベーション向上にも効果的です。
工数を活用したマネジメントが可能になる
プロジェクトの進捗やメンバーの稼働状況を正確に把握できるようになることで、リソースの再配分やスケジュール調整がしやすくなります。その結果、業務の偏りや遅延を防ぐマネジメントが可能です。
例えば、遅れが生じているタスクに人員を追加するなど、リソースを調整しやすくなります。
プロジェクトの工数管理を正確かつ効率的に行うポイント
プロジェクトの工数管理は、正確に行うことが重要です。しかし手間をかけすぎてはメンバーの負担が増えてしまうため、効率的に行うことも考えなければなりません。そこで、どうすれば正確かつ効率的に工数管理できるかを解説していきます。
作業内容と時間を細かく記録・分類
作業内容を具体的に分けて工数を記録することが正確な管理のポイントです。タスクごとに「何に」「どれだけ」時間がかかっているかを記録すれば、正確な工数の把握ができるようになります。
個人に任せるのでなく、タスクを細かく分けて登録するルールを決めることで、記録する際に「どこからどこまでの時間を計測・記録すればいいのか」と迷うことが減り、入力の精度や継続性も高まるはずです。
また、どの作業に時間が多くかかっているかを把握でき、業務改善や効率化のヒントが得られます。
リアルタイムで情報を共有・把握できる仕組みづくり
プロジェクトの関係者全員が、進捗や工数の最新情報をすぐに確認できる環境を整えることが重要です。工数を把握できていても、その情報がリアルタイムで共有されていなければ、関係者の意識の変化や連携強化は望めません。常に最新の情報を反映させられる仕組みを用意しておくことが必要です。
こうした環境が整えば、問題の早期発見や迅速な意思決定が可能になり、よりプロジェクトの成功率が高まります。
プロジェクト工数管理ツールを使用する
プロジェクト工数管理の集計は、手作業で行うとミスや記録漏れなどが生じかねません。管理の手間を減らし、効率的かつ正確に工数管理を行うためには専門のツール活用がおすすめです。
プロジェクトの工数管理に特化したツールを導入すれば、工数の自動集計や予定工数と実績工数の比較を簡単に実現できます。工数登録や集計の負担を減らしつつ、プロジェクト全体の状況をリアルタイムに把握できるようになります。
プロジェクト工数管理ツールの選び方
プロジェクトの工数管理を効率化するには、専用ツールの導入が効果的です。ここでは、これからツールを導入する場合、どのような基準で選べばいいのかを解説します。
プロジェクト単位での進捗・工数の把握ができるか
工数管理ツールのなかには、部署単位や作業単位の集計しかできない場合があります。しかし、プロジェクトの工数管理を行うには、部署や作業単位では不十分です。プロジェクト単位で「誰が・いつ・何に・どれだけ時間を使ったか」が把握できるツールかどうか確認しましょう。
入力や管理の手間が少ないか
工数管理ツールは、現場のメンバーが日々使うものだからこそ、入力が簡単で負担にならない仕組みかどうかが大切です。勤怠管理ツールは普及しているものの、工数管理はExcelで行ったり、そもそも管理していなかったりするケースもあります。
そのようなケースでは、勤怠管理ツールは入力しても、工数管理ツールの入力は疎かになる恐れがあります。しかし勤怠と工数を一元管理できるツールであれば、二重入力の手間がなくなり、登録の手間を軽減できるのです。
工数の見える化でプロジェクト管理をスムーズに
プロジェクトの工数を効率的に把握・運用するためには、進捗や工数をプロジェクト単位で可視化できること、そして入力の手間が少ないことがポイントです。日々の記録が負担になると入力が滞り、正確な把握が難しくなるためです。
本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP「ZAC」は、これらの条件を満たした効率的な工数管理を実現できます。ZACは、プロジェクトごとの作業時間・進捗・プロジェクトの収支など、プロジェクト管理に必要な情報を一元的に見える化できる点が特徴です。
さらに、ZACひとつで工数・勤怠・プロジェクトの進捗などをまとめて管理できるため、複数のツールを行き来する必要がありません。二重入力の手間が減り、日々の入力・集計業務の負担を大幅に軽減できます。「今どこにどれだけ工数がかかっているか」がリアルタイムに把握でき、負荷の偏りや予実のズレにもタイムリーに気づけるため、プロジェクト運営がぐっとスムーズになります。
まとめ
プロジェクトの各タスクにどれだけの時間と人数がかかっているのかを記録し、誰でもすぐに把握できる状態にしておくことがプロジェクト工数管理です。プロジェクトを計画通りに進めるためには、プロジェクト工数管理が重要です。
適切にプロジェクト工数管理ができれば、プロジェクトをスケジュール通りに進めやすくなるだけでなく、リソースを適切に振り分けられ、赤字を未然に防げます。メンバーの負担や不満を減らすことにもつながります。
こうした工数管理を正確かつ効率的に行うには、日々の記録をタイムリーに、そして無理なく続けられる仕組みが必要です。そのためには、プロジェクト単位で現場が手間なく入力できる工数管理ツールの導入をおすすめします。
これからプロジェクトの工数管理を実践していくなら、上記で紹介した「ZAC」のようなツールの導入を検討してみてください。