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フォーキャスト管理とは?目標達成のための売上・利益の予測方法を解説

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2022/6/17公開

多くの企業では企業活動における目標設定をし、目標の達成に向けて日常業務や経営管理を行っています。しかし、思うように目標を達成できず、その結果、経営が安定しないという問題をもつ企業も少なくありません。その中でも特に多くの企業が悩んでいるのが、業績目標の達成です。フォーキャスト管理を行うことで、目標達成のために現時点で何が必要なのかが見え、目標達成の確度が大きく上がります。
本記事では、フォーキャスト管理について、具体的な手法やポイントを交えて紹介します。

フォーキャスト管理とは

フォーキャスト(forecast)とは、ビジネスにおいて売上・利益の着地予測を意味します。売上・利益を適切に予測して進捗管理を行い、業績目標をいかに達成するかをマネジメントすることを「フォーキャスト管理」と呼びます

フォーキャスト管理を行うためには、設定した期間において、すでに確定している売上額・利益額、未確定の売上額・利益額をそれぞれ算出します。そうすることで業績目標に対して達成見込みなのか、未達見込みなのかが可視化され、もしも未達の場合は目標値までのギャップをどのように埋めていくのかをマネジメントすることができます。

売上予算内訳_800×500.png

例えば、システム開発業なら受注前のプロジェクトから、進捗中のプロジェクト、受注後にいたるすべてのプロジェクトで、確定している売上・利益と未確定の売上・利益を反映します。1か月や四半期ごと、1年など一定期間における業績目標に対して、売上・利益がどのくらいになるかを表すと同時に、経営戦略の元にもなる数値であるため、フォーキャスト管理は精度の高さが重要です。

フォーキャスト管理を、飲食店で例えてみましょう。

あなたが飲食店の店長だったとして、フォーキャスト管理のはじめの一歩とは、どの程度お客様が来るのかを予測するようなものです。 それを予測できなければ、材料をどの程度仕入れるべきか、アルバイトを採用するかやシフトをどう組むかといった様々な決断や打ち手の最適化ができないでしょう。どの程度お客様が来るのかという予測はするものの、実際の客数は、計画通りにいくことばかりではないと思います。例えば、来週は台風が来て大雨になるらしいといった場合は、計画を柔軟に軌道修正することも必要となる難しい業務になります。

BtoBビジネスにおいても同様です。目標予算に対して、数字が足りているのか、足りていないのか、受注がどの程度来そうなのか、予算や計画との乖離がどの程度ありそうなのか、タイムリーに予測ができている必要があります。 そうでなければ、外部パートナー企業との調整、社内リソースの確保や、営業方針やマーケティング戦略の転換、顧客への価格交渉や納期調整など、様々な意思決定に根拠を持てない状態となってしまいます。

つまり、フォーキャスト管理とは、 "ベースとなる予算や計画に対して、高い精度の着地見込を集計することで、乖離がどの程度あるのかを把握すること。それによって、正しい意思決定を根拠を持って実施していける土台を築くこと"と定義が出来るかと思います。

フォーキャスト管理の必要性

フォーキャスト管理は主に、営業担当者や営業マネージャーが業績目標を達成するために活用されますが、経営層にとっても大きなメリットがありますフォーキャスト管理を高い精度で正しく行うことで、ギャップを早い段階で把握し、目標達成のために先手を打つことが可能です。その結果、全社の目標達成率が上がることで、企業としても経営が安定し、さらなる企業の成長への投資(採用・研究開発投資・報酬増・移転増床など)が見込めると考えられます。

フォーキャスト管理の手順

フォーキャスト管理において重要なことは着地予測の精度です。せっかくフォーキャスト管理に取り組んだとしても、精度が低ければ意味がないまま終わってしまう可能性もあります。そのような事態を避けるためにも、フォーキャスト管理の具体的な進め方を紹介します。

①過去のデータを分析

売上の着地見込みを導き出すには、過去の実績から推測するのが有効です。

まずは案件について、現時点で確定しているデータと未確定のデータにそれぞれ分解します。未確定のデータでも、商談数、案件化数、受注率、受注数、単価と細かく分解ができるはずです。細かく分解すればするほど、ボトルネックが特定しやすくなり、目標までのギャップを埋める際にも、効果的な対策案が立てられるようになります。データを分解・整理したうえで、過去のデータを参照することで大枠のトレンドが見えてくるでしょう。例えば、広告業やIT業といった案件型の業務形態であれば、過去の同時期においてどれくらいの案件があったのか、そこからどのくらいの受注率があったかなどを分析します。自社で取り扱う製品・サービスが時期的な影響を受けにくいものなら、過去の一定期間における売上実績から傾向値を割り出すのも有効でしょう。また、営業担当者個人によるスキルや傾向も把握・考慮しておく必要があります。

さらに、過去の売上実績を分析することは、フォーキャスト管理はもちろん、次年度の業績目標を立てるうえでも有効です。

②着地見込みを設定

過去のデータを分析した後、それを踏まえて着地見込みを予測しましょう。着地見込みを設定することで、自ずと業績目標までのギャップも可視化されます。また、予測する際には季節性やトレンド、市場の変化などの考慮が必要です。

新規事業や経営期間がまだ短い会社の場合は、正確な予測値を出すことが難しいため、後述するパイプラインを活用したり、市場調査や他社の状況から売上予測を立てたりといった手法で対応します。

③目標までのギャップを埋める

目標達成までの時間は有限のため、確定している売上と着地見込みを踏まえて、いつまでにいくらの売上・利益が必要なのかを逆算します。業績目標までのギャップがはっきりと見えたら、解消するための対策案を考えていきましょう。例えば案件数を増やすのか、進行中の案件自体の単価を上げるのか、もし利益が目標未達の場合は、外注への切り出しや価格交渉といった対策が必要です。そのためには各担当がどのような動きをする必要があるのかを具体的にし、実行します。

このとき、実行して終わりではなく、どの程度ギャップを埋めることができたか、もしも埋めることができなかった場合は、対策案の見直しや、そもそもの売上・利益の予測方法が適切に行われているかどうかを検討することを忘れないようにしましょう。

④定期的な進捗チェック

案件の受注確度や予算進捗度合いは常に変化するため、定期的なチェックが必要です。業績目標までのギャップがどれくらいあるかを把握し、都度対応するためには、毎日チェックすることが望ましいでしょう。また、細かくチェックすることで、業績目標が未達になりそうな場合でも、早期に発見・対応することができるのもポイントです。

パイプラインを設定して細かく分析

営業フローのパイプライン

「パイプライン管理」と呼ばれるマネジメント方法を活用することで、着地見込みの予測をより明確に行うことが可能です。パイプラインとは、営業におけるフローをパイプ(水道管)に見立ててマネジメントを行う手法を指します。例えば、顧客からの問い合わせ、初回面談、見積、クロージング、受注、と営業フローを細かく細分化。各案件が現在どのステージにあるか、各ステージの確度がどの程度なのかを合わせて見ることで、着地見込みが立てやすくなるマネジメント方法の一つです。

パイプラインで管理を行うことで、最終的な数字だけではなく、どのステージで数字が取れているのか、いないのかが可視化されます。さらに、問題特定の際には、転換率が悪いのか、停留しているのかといった要因も分かるようになります。

フォーキャスト管理の精度を高めるポイント

フォーキャスト管理では、いかに正確に予測を行うかが肝となります。フォーキャスト管理の精度をより高めるために必要な5つのポイントをご紹介します。

①タイムリーな更新

一定期間ごとの業績目標と売上予測をマネジメントするフォーキャスト管理では、案件の受注日、売上日の変更はもちろん、受注確度の変更が着地見込みに大きく影響します。そのため、タイムリーな情報更新が必須です。ある時点で受注確度が下がっていたにも関わらずフォーキャスト管理に反映しなかった場合、着地予定日から大幅にブレて予定していた計上日に計上できなくなったり、対策を行うことができずに目標未達成になったりする恐れもあります

このように、フォーキャスト管理においては、ひとつの案件の進捗が全体に影響します。そのため、各担当者は案件に進捗があったらその都度更新が求められます。更新を徹底することで、想定外の事象が起こっても早期に対処ができるようになります。

②部門ごとのKPI設定

企業において各部門でのKPIはすべてつながっているため、営業だけでなく、マーケティング部門やカスタマーサクセス部門といった、売上・利益と関連して動く部門のKPIに注目することも重要です。例えば、マーケティング部門でいえば、問い合わせ数、初回面談率、受注率といった各部門におけるKPIを予算を元に細かく設定することで、より精度の高い予測が可能になります。

部門内でどのくらいのアポイントを創出できるのか、そこから何%の確率で受注できるのかなど、業務のステージごとで目標設定をするには、パイプラインと合わせて管理するのがおすすめです。さらに、細かく設定したKPIは定期的に観測し、未達になりそうなKPIを事前に把握・対処することで、着地予測をより確実なものにできるでしょう。

③実績に基づいた予測値設定

売上予測をする際には、過去の売上データに基づいた現実的な数値を設定しましょう。フォーキャスト管理は目標達成をより確実にするためのものなので、着地予測が実績より低すぎても高すぎても不適切です。前年の同時期や前月のデータを比較分析して、実際にどのくらい受注確度がありそうか、アポイント数からどのくらいの割合で案件化するかなどの具体的な数字を出すことが求められます。精度の高いフォーキャスト管理には現実的な数値を出すことが不可欠です。直感や勢いのみで予測することがないように注意しましょう。

④BANTを活用し、確度基準を標準化

個人の感覚で設定されがちな受注確度は、組織内で共通の認識を持つことが重要です。受注確度はフォーキャスト管理の中でも、予定売上の予測に関わります。受注確度にブレがあると正確なフォーキャスト管理ができず、営業部内はもちろん、営業と経営者の間に認識のズレが生じることもあります。受注確度を標準化するためには、営業活動において「BANT」と呼ばれるフレームワークの活用が有効です。

BANTとは「Budget(予算)」「Authority(決済権)」「Needs(ニーズ・需要)」「Time frame(導入時期)」の頭文字をとっており、営業において顧客に必ず確認しなければならない条件を指します。

  • 「Budget(予算)」:製品・サービスを導入するための予算。顧客が予算を確保できるか、また予算金額によっては提案内容も変わるため、早期に確認することが望まれます。
  • 「Authority(決裁権)」:製品・サービスの導入においての決裁権者にアプローチできているかどうかを指します。また、どのようなフローで稟議が行われ、決定が行われるのかも把握しておく必要があります。
  • 「Needs(ニーズ・需要)」:顧客のニーズがどれほどあるのかを把握すること。会社としてのニーズなのか、一部の部署のみのニーズなのかで、見込まれる売上額や営業方法も変わります。
  • 「Time frame(導入時期)」:導入時期が決まっているかどうか、また、いつなのかを表します。導入時期によって売上時期も決まってくるため、着地予測にも大きく影響します。

BANTはどれか一つでも欠けると受注確度が下がる項目です。受注確度を上げるためにも、BANTで受注確度における基準を設け、社内で共有認識を持つことが大切です。

⑤プロジェクトごとの工数・進捗を把握

フォーキャスト管理においては売上予測に目が行きがちですが、重要視すべきは売上だけでなく利益予測であり、そこに材料費や労務費といった原価がどのくらいかかったかということです。精度の高い原価予測を行うことでこの先どのくらいの損益が生じるかが見え、その結果、精度の高いフォーキャスト管理につながります。

特にナレッジワーカーにおいては、プロジェクトごとの業務にかかった時間と人数を把握することが重要です。原価の中でも、労務費は正確に把握することが難しい費用です。しかし、それぞれのプロジェクトにどれだけの工数がかかっているか把握することで、原価の一つである労務費が明確になると同時に、プロジェクトの進捗管理が可能になります。従業員一人ひとりがこまめに工数を入力することを習慣づけましょう。

ツール・システムを使ってフォーキャスト管理を効率化

受注日がいつになるかや、受注確度はどのくらいかといった情報は、案件ごとに異なるため、案件管理を行うこともフォーキャスト管理のためには外せません。また、案件の状況に合わせて原価についても随時数字が変わることや、営業フローにおける各数字が連動していることを踏まえると、数字の正確性も担保する必要があります。

しかし、一つひとつの集計を手作業で行うことは、ミスが発生してしまったり、膨大な時間がかかってしまったりと現実的ではありません。一つ数字を間違うと全体の数字がズレてしまうことも考えられます。

Excelやスプレッドシートだけではなく、SFA、ERPといったツール・システムを使えば、案件管理そしてフォーキャスト管理を効率よく行うことができます。さまざまな種類のツールやシステムがあるため、自社の規模や業種に適したものを使うことが望ましいです。 例えば、Excelやスプレッドシートにはフォーキャスト専用の機能がついているわけではありませんが、導入費用が低く、普段から使い慣れている社員が多いため、広く使用されているのがメリットです。一方、案件数が増えてくると管理が煩雑になるというデメリットもあります。

システムを利用する場合は、日々の見込や実績の売上・利益を一括で管理できるものがおすすめです。営業に特化したシステムならSFA、営業部門のフォーキャスト管理だけでなくその先にある経営管理にも活用したい場合はERPがおすすめです。ERPの中には、システムの入力データから今後の利益予測を導き出したり、担当別や地域別などさまざまなセグメント別で分析を行ったりする機能をもったものもあるので、より精度の高い予測や分析に役立つでしょう。さらに、クラウド型タイプなら各担当が営業先からも入力でき、リアルタイムにシステムに反映されるため、常に最新の情報を把握することができます。

まとめ

フォーキャスト管理は、ポイントを押さえた高精度な予測を行うことではじめて機能するマネジメント方法です。目標までのギャップを把握し、事前に対策することができるようになれば、業績目標の達成確度がより一層高まります。 また、フォーキャスト管理は営業部門のみに関係するものと思いがちですが、日々業績目標達成に向けて業務を行う営業部門はもちろん、安定した企業経営を目指す経営層にとってもメリットがあることも覚えておきましょう。

フォーキャスト管理を実施するためには、スプレッドシートやシステムなど、自社に合ったツールを使うと効率的です。データの分析や売上予測を出力可能なシステムなら、より精緻な予測ができ、経営戦略にも活用できるため、自社に必要な機能を洗い出しながらツール・システム選定をするといいでしょう。

Q
フォーキャスト管理とは?
A
ビジネスにおいて売上・利益の着地予測をし、進捗管理や業績目標をいかに達成するかをマネジメントすることを指します。詳しくはフォーキャスト管理とはをご覧ください。
Q
精度の高いフォーキャスト管理を行うには?
A
過去の実績を踏まえながら、部門ごとに細かくKPIを設定することがポイントです。また、定期的に観測を行うことで、未達になりそうな部門を早期に発見し、対策することが可能になります。詳しくはフォーキャスト管理の精度を高めるポイントをご覧ください。

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東 香菜子

この記事の筆者

株式会社oRo code MOC クラウドソリューション事業部マーケティングチーム

東 香菜子

専門誌の編集、広告制作を経て、株式会社オロの子会社・株式会社oRo code MOCに入社。
オロの製品・クラウドERP「ZAC」のマーケティングチームとして、ZACBLOGのライティング業務を主に担当している。

布施 輝斗

この記事の監修者

株式会社オロ マーケティンググループ グループ長

布施 輝斗

2014年4月株式会社オロに入社。東京・大阪・北海道と3つの拠点と、ERP/WEB/訪日インバウンドと3つの事業部にて新規開拓営業、既存営業に従事。2018年にZAC新規営業チームに復帰後も年間No.1セールスを叩き出す。2019年以降はチームリーダーとしてメンバーの育成に注力し、新卒2年目のメンバーを年間No.1セールスに育て上げるなど功績を残す。2021年10月よりZACマーケティンググループのグループ長として組織を牽引する。休日は北海道コンサドーレ札幌のサポーターとして活動。

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