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経営分析とは?必要な指標やフレームワークを解説

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2023/7/21公開

経営分析は、企業の収益向上や経営方針策定において重要な役割を持ちます。経営分析を行うことで、自社の強みや弱みを客観的に把握できるのです。

本記事では、経営分析の重要性をお伝えしたうえで、具体的な手法や押さえておくべきポイント、有効なツールを紹介します。経営分析を行いたいと考えている経営者や経理担当者はぜひ参考にしてください。

目次

    経営分析とは

    経営分析とは、貸借対照表、損益計算書などの財務諸表や決算書の数字から、その企業の経営状況を客観的に読み解くことです。その結果を元に、経営方針を検討したり策定したりできるようになります。

    経営状況を示す売上や利益、費用など、事実に基づいた数字を使って分析することで、勘や経験に頼らない正確な現状把握が可能です。なぜ自社の事業が伸び悩んでいるのか、どこを改善すれば業績を上げられるのかといった課題を見つけ、改善方法を導き出すために行います。

    財務分析との違い

    経営分析と似た言葉に「財務分析」があります。財務分析は、財務諸表の数字から企業の収益性や安全性、生産性、成長性、活動性を定量的に分析することです。損益やキャッシュフロー分析を中心としています。

    一方の経営分析は、財務分析の結果を踏まえ、外部要因を含めたより定性的な情報もあわせて分析していくことを指します。つまり、経営分析のなかに財務分析が含まれているのです。財務分析は手段であり、経営分析は目的と言うことができます。

    経営分析の重要性

    前述したとおり、経営分析は現在の経営状況を客観的に把握するべく行うものです。分析した結果、自社の強みや弱みを把握できます。強み・弱みを知ることは、市場における自社の価値を適正に判断するために必要であり、企業の成長や事業の見直しなどに欠かせません

    また、経営方針や経営戦略といった企業の指針を策定するうえでも経営分析は重要です。目標を立てるには、現在地を正確に知ることが大切だからです。現時点で足りない部分や強化したい部分が見えることで、そこに注力できるようになるでしょう。

    さらに、金融機関や投資家にとって経営分析の結果が投資の判断材料になりうるため、経営資金を得るためにも行うべきだと言えます。

    経営分析に有効な5つの指標

    経営分析では財務諸表をもとに、さまざまな角度からの分析を行います。ここでは、主となる5つの分析指標を紹介します。ぜひ覚えておきましょう。

    ①収益性分析

    収益性分析とは、利益を生み出せる力がどれほどあるか判断する分析のことです。収益性が高ければ、大きな費用をかけずに利益を生み出せる能力がある企業だと言えます。逆に低ければ、大きな費用をかけても利益が生み出せないということであり、何かしらの対策を取る必要があります。

    具体的な分析方法は、以下の通りです。

    利益増減分析

    各期の利益額と利益率を比較して、どのような収益構造になっているのかを分析する方法です。利益の増減に影響する要因を探ることから、利益増減要因分析とも呼ばれます。

    損益分岐点分析

    収益が費用を上回り黒字になるポイント(損益分岐点)の売上高を分析する方法です。損益分岐点売上高は、以下の計算式を用います。

    • 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
    • 限界利益率=限界利益(売上高−変動費)÷売上高×100

    資本利益率分析

    利益を生み出すために企業の資本がどれほど活用されているのかを測る分析方法です。数値が高いほど、効率的に資本が活用されていることを示します。主に以下の5つの指標を用いて分析します。

    • 総資産利益率(ROA)=当期純利益÷総資本×100
    • 自己資本当期純利益率(ROE)=当期純利益÷自己資本×100
    • 売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100
    • 売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100
    • 売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100

    ②安全性分析

    安全性分析とは、負債と資本の構成や比率から、企業の支払い能力や財務安定性をみるために行う分析のことです。銀行などからの借入金を返済する能力があるかどうか、また倒産の危険性はないかといった指標になります。分析する際は、主に以下の4つの指標を用います。

    • 流動比率=流動資産÷流動負債×100

    1年以内に返済すべき流動負債と、回収見込みのある資産の比率を表す指標です。100%を下回っていると倒産の不安があるとされます。

    • 当座比率=当座資産÷流動負債×100

    流動資産の中でも現金化しやすい当座資産の割合を表す指標です。理想は100%以上とされています。

    • 固定比率=固定資産÷自己資本×100

    自己資本に対し、長期的に使う固定資産がどの程度あるかを表す指標です。この数値は低いほうがいいとされ、理想は100%以下です。

    • 自己資本比率=自己資本÷総資本×100

    自己資本は返済の必要がありません。総資本に対し、この自己資本がどの程度あるかを表す指標です。高いほうが安全と考えられますが、目安となる数値は業種や企業規模によって異なります。

    ③生産性分析

    生産性分析とは、自社製品・サービスの販売や売上額向上のために、企業の資源を有効活用できているかどうかを測ることです。企業の資源であるヒト・モノ・カネが、それぞれどれだけの付加価値を生み出しているか、以下の3つの指標で判断します。

    • 労働生産性=付加価値÷従業員数×100

    従業員1人あたりが生み出す付加価値を表す指標です。この付加価値は、労働による対価(売上高−諸経費)を指します。

    • 資本生産性=付加価値額÷有形固定資産×100

    事業に投入した資本が、どれだけ付加価値を生み出しているか表す指標です。数値が高いほど効率的に付加価値を生み出していると言えます。

    • 労働分配率=人件費÷付加価値額×100

    付加価値のなかで人件費の占める割合を表す指標です。40〜60%が一般的で、高いほど従業員の待遇がいいとされます。

    ④成長性分析

    成長性分析とは、業績の変化から企業の成長度合いや将来的な成長の可能性を測ることです。自社の成長率を算出後、市場の成長率と比較することが大切です。もし市場の成長率より自社の成長率が高ければ、勢いがあり存在感を発揮していると考えられます。

    以下のような指標を用いて分析できます。

    • 売上高増加率=(当期売上高−前期売上高)÷前期売上高×100

    売上高ベースで当期の成長率を表す指標です。プラスになれば成長しているとみなされます。

    • 経常利益増加率=(当期経常利益−前期経常利益)÷前期経常利益×100

    経常利益ベースで前期に比べてどれだけ成長したかを表す指標です。数値が高ければその企業は発展していると言えます。

    • 総資本増加率=(当期総資本−前期総資本)÷前期総資本×100

    総資本が前期に比べてどれだけ増えているかを表す指標です。数値が高いほど望ましいと言えます。

    • 純資産増加率=(当期純資産−前期純資産)÷前期純資産×100

    純資産ベースでの成長率を表す指標です。純資産の増加は企業の安定性向上につながります。

    • 従業員増加率=(当期従業員数−前期従業員数)÷前期従業員数×100

    従業員がどれだけ増加したかを表す指標です。この数値からも企業規模の成長を見てとれます。

    ⑤活動性分析

    活動性分析とは、売上に対して企業の資本や資産を有効活用できているかを測ることです。活動性が高ければ、少ない資産で多くの売上を上げている企業だと判断できます。具体的には、以下の指標をもとに分析します。

    • 総資本回転率=売上高÷総資本

    総資本をどれだけ有効活用できているかを表す指標です。目安は1回転で、回転率が高いほど効率的に売上を上げていると言えます。

    • 固定資産回転率=売上高÷固定資産

    企業保有の固定資産でどれだけ売上を上げられているかを表す指標です。回転率の目安は業種によって異なります。

    • 棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産

    販売目的の商品や原材料を効率的に販売できているかを表す指標です。回転率が高いほど売れ行きがよく、低ければ無駄な在庫を抱えすぎている可能性があるため、仕入れなどを見直す必要があります。

    経営分析に使えるフレームワーク

    経営分析では、内部の経営状態を客観的に見るだけでなく、競合他社との比較や社会の変化といった外部要素も含めた分析が必要です。ここからは、経営分析に使える4つのフレームワークを紹介します。

    SWOT分析

    SWOT分析

    SWOT分析とは、企業の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)を整理し、分析する手法です。法改正や市場の変化といった外部環境のうち、自社にプラスに働くものが機会、マイナスに働くものが脅威となります。事業戦略の方向性を定める際に活用できます。

    SWOTクロス分析

    内部要因である自社の強み弱みに加え、外部要因である機会と脅威をかけ合わせて分析することで、状況に合わせた対策や今後の改善策を立てることが可能です。これを「クロスSWOT分析」と呼び、以下の4つの組み合わせに分けられます。

    • 強み×機会:強みを生かしながら、機会を創出するための策
    • 強み×脅威:強みを生かして脅威となる問題に対処するための策
    • 弱み×機会:弱みを改善して機会を生み出すための策
    • 弱み×脅威:弱みと脅威を踏まえ、マイナス影響を抑えるための策

    たとえば、強み×機会として新製品を開発したり、弱み×脅威からターゲット層の見直しを行ったりといった戦略が考えられます。

    PEST分析

    PEST分析

    PEST分析とは、企業を取り巻くマクロ環境から経営戦略を検討するためのフレームワークです。

    以下の4つの面から、自社を取り巻く状況や取り組むべき事業などを考えます。

    • 政治(Politics):税制の変化、法・条例改正、国の方針等
    • 経済(Economy):景気動向、株価、金利、失業率等
    • 社会(Society):人口変化、ライフスタイル、トレンド等
    • 技術(Technology):新技術、IT活用の変化、特許等

    PEST分析では、3〜5年後を見据えた中長期的なマクロ環境について仮説を立て、それに基づいて取り組むべき戦略を考えることがポイントです。例えば、消費税の変化によって消費者の購買動向に変化が起こりそうであれば、それにあわせて価格見直しといった対策を取ることになります。

    3C分析

    3C分析

    3C分析とは、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの視点から自社の強み・弱みを分析する手法です。どのようなターゲット層か、どのような顧客ニーズがあるのかを軸に、自社だけでなく、競合他社の市場シェアや強み・弱みを明確にし、差別化を図る方法を検討します。

    特定の製品のマーケティング戦略を見直したり、新たな事業を立ち上げたりする際にも用いられるフレームワークです。

    VRIO分析

    VRIO

    VRIO分析とは、自社の経営資源を競合他社と比べることで、市場における自社の相対的な価値を測るフレームワークです。 自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を、

    • 経済的価値(Value):経営資源が売上や社会に貢献しているか
    • 希少性(Rarity):競合他社と比べて希少性はあるか
    • 模倣可能性(Inimitability):他社から模倣されない独自性はあるか
    • 組織(Organization):経営資源を継続的に活用するための組織になっているか

    の4つの視点から評価します。 V→R→I→Oの順番で1つずつ分析を行い、各視点において「YES」「NO」で評価していきましょう。自社の優位性がどの程度あるか、どこにあるかを把握することができます。 これによって、自社に足りない部分を強化したり、自社の強みを伸ばしたりといった経営戦略を立てていきます

    経営分析のポイント

    ここまで、経営分析に有効な指標やフレームワークを紹介してきましたが、やみくもに分析を行っても結果を活用できなければ意味がありません。そこで、分析を行うにあたって留意しておくべきポイントをお伝えします。

    分析する指標を絞る

    上記で紹介したように、分析に使用する指標は数多くあるため、すべての指標を使おうとすると時間がかかり、担当者の負担も大きくなります。すべての指標から事業の方向性を立てようとしても、情報が多すぎて結論を出せないといった事態にも陥りかねません。

    そのため、自社の課題や目標に合わせた指標に絞ったり、優先順位をつけたりすることが重要です。

    正確な数値を使う

    経営分析では、財務状況や企業規模を示すさまざまな数値に基づいて計算を行います。その数値が正確でなければ、分析結果も異なってくるため、経営判断を誤ってしまう恐れがあります

    財務上の数値が正確であることはもちろん、事業やプロジェクトにかかった工数などもそれぞれ紐づけを行い正確な数値を把握しておかなければ、適切な費用を算出できません。一度に集計しようとすると時間がかかってしまうため、日頃から工数の記録を行ったり、集計しやすいようにツールを使うことも有効です。

    タイムリーな分析を行う

    経営分析は財務諸表をもとに数値を出すため、分析結果にはタイムラグが生じがちです。分析に時間がかかれば、その間に経営を取り巻く環境がどんどん変化してしまいます。

    現在の経営がどのような状態になっているのか、どのような問題があるのかを、タイムリーに把握することが経営分析において大切です。分析時間をいかに短縮できるか考えなければなりません。

    定期的なモニタリング

    各種の指標は、一度算出して終わりではなく、定期的にモニタリングして変化を把握することも重要です。自社にどのような変化が起きているのかを時系列に知ることで、より精度の高い経営方針を策定できます。さらに、なにか変化があった際すぐに気づくことができ、対策を打つこともできるでしょう。

    システムで経営分析を効率化

    分析に使う指標を手作業で算出するのは非常に大変で、担当者への負担もかかります。人的ミスが発生する恐れもあるでしょう。効率的に経営分析を行うためには、システムの活用がおすすめです。

    ツールやシステムを利用することで、指標の算出に必要な数値をスムーズかつ正確に把握できます。例えば本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP「ZAC」なら、売上高や原価など、経営分析に必要な数値を一元管理でき、正確でタイムリーな数字を担保できます。 さらに、必要な経営指標をモニタリングできる点も特徴です。設定した経営数値が一定以下に下がった場合、自動的にアラートしてくれるため、大量のデータの中から異常値を探したり発見したりする手間もかかりません。

    詳しくは「経営モニタリング」機能詳細をご覧ください。

    まとめ

    財務諸表や決算書などの客観的な数値をもとに経営分析を行うことで、自社がこれから取り組むべきことや経営の方向性を検討できます。自社の現時点での強みや弱み、市場での評価などを把握できれば、適正な事業の見直しが可能です。

    財務諸表からの分析に加え、フレームワークを活用することでさまざまな角度から経営状況を判断できます。各指標の特徴を理解し、分析の目的に照らして自社に必要な指標を選んでください。

    経営分析には正確な数値をタイムリーに活用することも欠かせないため、システムを活用するなどして効率的に実施することをおすすめします。

    Q
    経営分析と財務分析の違いは?
    A
    財務分析は、財務諸表の数字から企業の収益性や安全性、生産性、成長性、活動性を定量的に分析することです。一方の経営分析は、財務分析の結果を踏まえ、外部要因を含めたより定性的な情報もあわせて分析していくという違いがあります。詳しくは財務分析との違いをご覧ください。
    Q
    経営分析で何がわかる?
    A
    企業の現状の強み・弱みや、今後取り組むべき事業の方向性などがわかります。詳しくは経営分析の重要性をご覧ください。

    ナレッジワーカー・マネジメント

    ナレッジワーカーが競争力の源泉となる知的サービス業(IT・広告・コンサルティング業)が、中長期的に成長し続けるには「経営管理の仕組み」が不可欠です。累計1,000社以上の経営改善を支援してきた当社の経営管理ノウハウを8ページにまとめました。

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    矢野 由起

    この記事の筆者

    ライター

    矢野 由起

    製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

    清宮 理慎

    この記事の監修者

    株式会社オロ 取締役

    清宮 理慎

    2010年、株式会社オロに入社。ZAC導入支援グループのグループ長、開発グループのグループ長を担当した後、2022年にクラウドソリューション事業部の事業部長に就任。「ZAC」を用いた管理会計により事業部の運営を行っている。著書に「ナレッジワーカー・マネジメント 業績も人もついてくる数字で語るマネジメント術」(プレジデント社)がある。