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IPO審査は経営感覚を鍛え、経営管理の練度を高める最良の機会

IPO審査は経営感覚を鍛え、経営管理の練度を高める最良の機会
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2012/10/22公開

IPOを成し遂げるためには、企業の業績が拡大し収益を上げていることが前提となります。そして、企業が証券会社(主幹事証券)や取引所の上場審査に受かることにより初めて可能となります。「審査」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、投資家保護のために必要とされる諸制度を構築し、整備、運用を行っていれば合格することができるものです。

目次

    前回コラムでは、IPOの現状を説明し、現在、IPO市場の門戸は大きく開かれており、IPOに挑戦するには絶好の機会であると書きました。今回は、IPO審査とは何かということ、上場延期になったパターンについて、説明をしたいと思います。

    絶対に延期させないIPO成功のポイント

    (1) 審査は、落とすためではなく、会社を理解するために実施される。

    企業の業績のトレンドが低下している場合は、上場後も継続して事業(特に、企業収益)の維持拡大が可能であるかを見定めることが難しいため、審査は企業収益の確保の観点から慎重にならざるを得ません。この部分を除けば、審査は企業を理解するために実施されるものであり、必要なことをやっていれば、審査は合格できるものです。

    IPOの準備は、企業と主幹事証券会社(公開引受部門)と監査法人によって着手されます。この段階で、上場に向けた整備事項はほとんどリストアップされており、改善スケジュールの大枠も提案されます。経営者の理解とフォローがIPO推進の重要な要素となります。

    (2)企業の経営管理の構築度(管理部門)を審査される。

    IPOを検討あるいは目指している企業は成長軌道にあり、当然事業部門の企画、推進の面においては、基本的に企業それぞれの特性に合わせた制度構築がなされています。しかしながら、成長過程においては、あまり問題とならないことが、経営管理の脆弱性として、鈍化、悪化の過程で現れてくるものと思います。IPO審査においては、特に管理部門の強化、充実の度合いを審査されることに留意する必要があります。

    管理部門の強化、充実は、量的質的に整備することになりますが、経営者の方は販管費の増加につながるため、消極的な場合が多く見られます。

    しかしながら、経営管理の強化は企業成長を促すためにも必要であり、企業のリスクの把握や回避・防止にとっても重要であり、投資家からの企業への信頼感にもつながるものと認識する必要があります。この初期投資の負担に耐えられない場合は、IPOへの準備に取り掛かるにはまだ早いのかもしれません。

    (3) IPO準備を企業成長に活用する。

    IPO審査においては、投資家保護の観点から、過去(成長過程、その要因)、現在(企業の組織的運営の整備、運用の状況)、将来(コーポレートストーリー)について、企業全体を通して見ることになります。審査の過程においても、多くの質問が提示され、回答を行うことになります。その準備、審査の過程では、経営者の方はもちろん、IPO準備に関わった役員、社員の方々に、企業の進むべき方向性(経営者の考え方)の再確認を促し、企業を業界の中でのポジションや全社的な視点で見ることが求められるため、経営感覚を養わせることになります。経営管理の練度を高めていく過程を実地で研修できる絶好の機会でもあり、可能であれば、積極的に人材育成に活用することも重要です。

    押さえておきたいIPOが延期になる3つのポイント

    上記に「必要なことをやっていれば、審査は合格できる」と記載しましたが、多くのIPOを目指す企業(いわゆるIPO予備軍)が志半ばで、何故、上場延期の判断をせざるを得ないのでしょうか?これまでの経験や事例から、要因を考えてみたいと思います。

    (1) 企業業績が下降していった場合

    上場延期になる大半がこのパターンと言えます。上場延期の7割程度が該当するのではないかと思います。リーマンショック以降のIPO社数の激減もこの要因が大きいのではないでしょうか?そういう意味では、IPO準備着手のタイミングが最も重要となります。企業業績に十分な自信を持ってから上場準備に取り掛かる企業もありますが、企業業績は拡大と停滞を繰り返すことが一般的であり、その環境の中で企業淘汰がなされていきます。企業収益拡大のタイミングとIPO準備の着手のタイミングを見定める必要があります。一概に言えませんが、個人的な見解で言えば、当期純利益の水準が2億5000万円前後に達する見込があれば、IPOの準備に着手すべきタイミングにあると思います(例えば、上場時発行済株式総数500万株、EPS:1株当たり当期純利益50円、PER:株価収益率10倍、上場時予想公開価格500円、時価総額25億円)。

    特に上場申請期の利益計画の大幅な未達は審査側も慎重にならざるを得ないことから、最も重要なポイントとなります。

    (2) 経営者がIPO準備を面倒くさいと諦めた場合

    上記(1)に起因している場合もありますが、経営者(このパターンでは、特にオーナー)がIPOに対する理解が少ない場合に起こっていると思います。特に企業収益に問題がない場合でも、上場準備はなるべく負担を少なくして、審査に受かる範囲で適当にやれば良いと考えている場合に起こりうるパターンです。審査において大きな改善事項を指摘された場合に、そこまでIPOに拘って行う必要はないと判断される場合が見受けられます。IPO準備に着手する際に、IPOの意義を正しく理解し、成し遂げる覚悟を確認しておく必要があります。

    (3) その他

    上記以外にも以下の事例があります。

    • 販売の依存度が1社に対して高すぎる場合
    • 直前々期首に遡って財務データを修正する必要が生じた場合
    • 回答した内容と実務に相違が多数見られた場合/li>
    • IPO責任者が不在となった場合
    • 経営者や営業部門が非協力的で準備が進まない場合
    • 法令違反を起こした場合
    • 退職者や外部から、粉飾、法令違反等の情報が提供され事実であった場合

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    堀之内 泰治

    この記事の筆者

    株式会社サクセスサポート 代表取締役

    堀之内 泰治

    1957年鹿児島県生まれ。同志社大学卒。1999年日興證券㈱退職、IPOコンサルティング開業。独立後、14社のIPO・POの成功をサポート。前職の証券会社の公開引受部の時代を含め、約20年間IPOの世界に身を置いてきました。この間、IPOを準備されている企業の経営者や実務の担当者の様々な悩みや喜びの場面に立ち会ってきました。本コラムでは、これまでの経験をもとにIPO実務を中心に書いて参りたいと思います。「たかがIPO されどIPO」です。明日の時代を背負っていく企業のIPOに立ち会って、少しでもお役に立てることができればと思います。また、皆様のご意見や悩み、ご質問等を反映できるコラムになれば幸いです。