バックオフィス業務とは?重要性と効率化のメリット

2021/1/08公開2022/3/23更新
社内手続きや決算業務などを通して、企業活動を内側から支えるバックオフィス。企業に属していれば「関わったことがない」という人はまずいないでしょう。
今回はこのバックオフィスをクローズアップし、具体的な職種の紹介から、業務効率化を行うメリット、そのためのツールやサービスまでわかりやすくご紹介します。
目次
バックオフィス業務とは?具体的な職種例も紹介
バックオフィスに該当する職種には、
- 経理
- 財務
- 人事
- 総務
- 一般事務
などがあります。
バックオフィスは「後方支援」という意味合いを持ち、直接利益を生まない業務のことを指します。一方で、クライアントや見込み顧客への営業・販売行為を行う営業担当者、問い合わせ対応を行うカスタマーサポートといった、直接利益を生み出す業務がフロントオフィスと呼ばれています。
バックオフィスはフロントオフィスの業務をサポートしたり、企業活動を続けるために必要な手続きを行うなど、会社の運営に関わる非常に重要な役割を担っています。
ここからは、さらに詳しくバックオフィス業務についてと課題、その解消方法について解説していきます。「バックオフィス業務を効率化する手順を知りたい」「効率化ツールの選び方をざっくり知りたい」という方は、こちらからバックオフィス業務の効率化についてまとめた資料をダウンロードなさってください。
経理 | 支払い・請求などの出納業務や記帳、決算書作成のための集計など企業のお金とお金の流れを管理する業務。 |
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財務 | 予算管理や資産運用を行う業務。会社によっては、経理が兼任している場合もある。 |
人事・労務 | 社員の採用を行う業務。退職、部署異動、転勤の手続きを行う場合もある。 |
総務 | オフィスの備品管理や社内規定の整備などを行う業務。会社によって、経理や事務が兼任している場合もある。 |
一般事務 | データ入力やファイリング、来客・電話対応などを行う業務。営業担当者の補佐を行う、営業事務もある。 |
バックオフィス業務が重要視される理由
企業活動に必要不可欠といわれているのは「生産機能」「販売機能」「事務・会計機能」の3つです。バックオフィス業務は「事務・会計機能」に該当します。
製品やサービスを生産したり、営業・販売行為をしないものの、「支払い・請求管理」「保険加入や税務の手続き」「決算業務」など、企業活動を行う上で欠かせない業務を担うのがバックオフィスです。つまりバックオフィス業務を担う人がいない場合、企業活動を行うことさえ難しいのです。
バックオフィス業務を効率化する5つのメリット
企業にとって重要なバックオフィス業務。ここからはツールやサービスを活用し、得られるメリットを解説します。
コストの削減
経理業務の自動化やファイリングの電子化を行うことで、バックオフィス業務に携わる人件費を削減できます。企業として力を入れたい部署への採用を進めることも可能でしょう。また紙媒体をメインにバックオフィス業務を行っている場合には、システムやサービス導入でペーパーレス化が実現し、印刷代や保管費用といった固定費、管理コスト削減にもつながります。
ヒューマンエラーの防止ができる
バックオフィス業務では、データの集計や二重入力、転記、目視チェックといったルーティンワークが多くなりがちです。人間である以上、転記ミスにより金額が合わないといったヒューマンエラーが起こる可能性は必ずあります。決算期など特に忙しい時期にその危険性はより高くなるでしょう。これらの作業をシステムで行う場合、ヒューマンエラーを防止できるというメリットがあります。さらに10件でも1000件でも同じように処理を行え、正確性も担保されています。
業務の属人化からの脱却
デジタルツールをうまく活用することで、バックオフィス業務にありがちな「この作業はあの人にしかできない」といった業務の属人化から脱却できるでしょう。例えば、複雑な関数を用いて集計作業をデジタルツールで自動集計するといった効率化は、ヒューマンエラーの防止・計算スピード向上といったメリットが得られます。業務を標準化することは、担当者の退職時にも引き続きがスムーズになるでしょう。
残業時間の削減で、従業員のモチベーションアップ
上述のようなシステム化を進めたり、必要に応じて外部委託などのサービスを活用することは、残業時間の削減、ひいては従業員のモチベーションアップにつながっていくでしょう。また、業務効率化が実現することで、マネジメントやガバナンスの強化といった、より付加価値の高い仕事に専念できます。
BCP対策・強化にも繋がる
自然災害や感染症流行、テロの発生など未曾有の事態においても、企業は経済活動を止めるわけにはいけません。紙帳票の電子化、バックオフィス業務をクラウド化する・外部委託するといった業務効率化・改善によって、ひとつの拠点でアクシデントがあった場合にも対応できるようになるでしょう。バックオフィス業務は、BCPの観点からも最適化が求められています。
バックオフィス業務を効率化するために検討したいツールやサービス
バックオフィス業務はルーティンワークが多く、業種を問わず各社で共通した業務内容が多い傾向にあります。それゆえ、非常に多くの業務効率化ツール・サービスが展開されています。紙帳票を主に業務管理を行っている場合には、クラウドサービスを活用することでペーパーレス化を同時にすすめることが可能です。
情報系システム
事務処理の効率化のために活用したいのは、情報系システムです。コミュニケーションを円滑にするビジネスチャットツールやスケジュール管理ツール、社外でも書類の提出・確認が可能になるオンラインストレージ、顧客や取引先の情報を瞬時に呼び出せる顧客管理システムなどがあります。
基幹システム
受発注業務、会計業務などの基幹業務の効率化には、自社の業務に合った基幹システムが鍵を握ります。帳票の自動作成機能や企業と税理士の会計データを共有する機能を持つ会計システム、請求日や支払日の自動算出やアラート機能を備えた受発注管理システムなどがあります。
ERP
上述した「基幹システム」のひとつで、基幹業務や情報系システムの一部の情報を一元的にかつリアルタイムでまとめて管理できるシステムです。基幹業務の一元化により「案件管理と勤怠管理がひとつのシステムで可能になる」「請求書発行のための転記や二重入力が不要になる」といったメリットが得られ、効率的な業務管理が行えます。
情報系システム、基幹システム、ERPの特徴や違いについては下記の関連記事をご覧ください。
社内向けチャットボット
社内問い合わせの効率化が期待できるツールです。問い合わせに対して自動で応答するチャットボットを導入し、よくある質問を登録しておくことで回答の迅速化や無人対応の実現、毎回同じような質問に返答するストレスを軽減できます。
アウトソーシング
バックオフィス業務においては、経理業務や会計業務そのものや一部を外部委託するサービスが一般的です。バックオフィスの固定費を削減できるほか、全社的なテレワーク移行も容易になるでしょう。一番のメリットは専門性の高いサービスを受けることができ、業務のブラックボックス化を防げる点です。
まとめ
営業部門や製造部門などの他部門のサポートをメインに行い、企業活動においても必要不可欠なバックオフィス。業務改善によって、コストの削減やヒューマンエラーの防止が実現し、ひいては従業員のモチベーションアップに繋がっていきます。他部門に比べ専用の業務効率化ツール・サービスが充実しているため、着手しやすい点も魅力です。 「今はまだ業務が回っているから大丈夫」という企業でも、「社員数の増加など、会社の成長に耐えうるオペレーションであるのか」「このままの体制でスムーズにテレワークに移行できるのか」といったことを定期的に見直し、「会社のこれから」に対応できる体制づくりが重要になります。必要なツール・サービスをうまく活用した、未来志向のバックオフィスを作ることで、全社的な生産性向上が期待できるでしょう。