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売上総利益とは?営業利益との違いと改善方法をわかりやすく解説

売上総利益とは?営業利益との違いと改善方法をわかりやすく解説
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2023/12/08公開

損益計算書にも記載されている売上総利益は、企業のおおまかな収益性を図る目安となる数字です。売上高に占める売上総利益の割合が高ければ、それだけ収益力があり、付加価値のある商品・サービスを提供していることになります。

本記事では、企業の販売戦略や経営戦略を立てる上でも重要な売上総利益について、業種ごとの違いも含めて詳しく解説します。売上総利益を上げ、高い収益性を得たいと考えているなら参考にしてみてください。

目次

    売上総利益とは?

    売上総利益とは

    売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いた利益のことです。以下の計算式で算出できます。

    • 売上総利益=売上高-売上原価

    売上高は、企業の製品・サービスを販売して得られた金額です。そして売上原価は、製品・サービスの仕入れや製造にかかった費用のうち、その期中に売れた商品にかかった費用を指します。

    売上総利益は、売上高から製品・サービスの仕入れや製造にかかった費用のみを差し引いた数字です。損益計算書において、売上高、売上原価の次に記載されます。売上総利益から販管費やその他の費用、税金を差し引くことで、実際に企業が得られる利益(当期純利益)を算出するため、売上総利益と純利益は異なる数字となります。

    売上原価については、こちらの記事に詳しく解説しているので参照してください。

    売上原価とは?製造原価との違いや求め方、活用方法を解説

    売上総利益と粗利は違う意味?

    売上総利益と粗利は同じ意味を指す言葉です。売上総利益は、一般的に「粗利」「粗利益」と呼ばれます。一定期間にどれだけ利益を得られるのか、おおまかに計算した数値であることから「粗」という字が使われています。

    売上総利益と営業利益の違い

    営業利益とは、売上総利益から販売費や一般管理費(販管費)を差し引いた利益のことです。本業によって得られた利益とされています。以下の計算式で算出可能です。

    • 営業利益=売上総利益-販売費および一般管理費

    販売費には、営業部門の人件費や商品の広告宣伝費、販売手数料など販売に関わる費用が含まれ、一般管理費には管理部門の人件費や事務所の家賃、光熱費など企業全体の運営や管理に関わる費用が含まれています。そのため、通常は売上総利益より営業利益のほうが少なくなります。

    売上総利益と経常利益の違い

    経常利益とは、営業利益に営業外収益を加え、そこから営業外費用を差し引いた利益のことです。企業においては、本業以外でも経常的な損益を出している場合が多く、経常利益を算出することで本業以外を含めた企業の儲ける力が見えてきます。経常利益は、以下の計算式で算出できます。

    • 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

    営業外収益とは、本業以外で得られた経常的な収益、すなわち家賃収入や受取配当金、受取利息、為替差益などです。営業外費用としては、支払利息や社債利息、有価証券売却損、為替差損などが該当します。

    売上総利益からわかること

    ここからは、売上総利益を見ることによって企業のどのような面を判断できるのか、詳しく解説します。

    収益性

    売上総利益は、企業のおおまかな収益性の指標です。たとえば、製品・サービスの販売価格に対し、仕入れ値や製造にかかる費用が低ければ売上総利益は高くなるため、収益性の高い事業を行なっていると判断できます。逆に、売上総利益が低いようであれば、費用がかかりすぎていると考えられます。

    ただし、売上総利益が高くても、販管費が多くかかっているとそのぶん収益性は下がってしまうため、売上総利益の数値はあくまで目安として利用しましょう。

    付加価値

    商品・サービスの価格は、製造や提供に必要な売上原価に付加価値をプラスした値段となります。つまり売上総利益が高ければ、それだけ付加価値の高い商品・サービスを生み出している企業だということです。逆に売上総利益が少ないと、売上原価に近い価格で販売している可能性があり、商品・サービスの付加価値は低いと考えられます。

    売上総利益率からわかること

    売上総利益率は「粗利率」とも呼ばれ、売上高に対する売上総利益の割合のことです。売上総利益率を見ることで、自社の商品・サービスの収益力がわかるようになります。以下の計算式で算出可能です。

    • 売上総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100

    たとえば、売上高が1億円で売上総利益が6500万円だった場合、売上総利益率は以下のように算出します。

    6500万÷1億×100
    =65%

    売上総利益率が高いことは、それだけ商品・サービスの付加価値が高く、収益性の高い事業を行なっているということです。一方、売上に対して原価がかかりすぎていたり、販売額が低すぎたりする場合、売上総利益率は低くなる傾向にあります。ただし、売上総利益率は業界によって平均が異なるため、それぞれの業界で比較することが大切です。

    【業種別】売上総利益率の平均

    上述の通り、売上総利益率の平均は業界によって異なります。自社の売上総利益率が適正かどうかは、それぞれの業界の平均値を知らなければ判断できません。ここでは11種の業界について、それぞれの平均値を紹介します。平均値は、中小企業実態基本調査(*1)における、3.売上高及び営業費用(2)産業中分類別表 1)法人企業 のデータに基づいて算出しています。

    業種平均売上総利益率
    建設業 23.46%
    製造業 21.42%
    情報通信業 47.32%
    運輸業、郵便業 24.72%
    卸売業 15.87%
    小売業 30.06%
    不動産業、物品賃貸業 39.86%
    学術研究、専門・技術サービス業 51.96%
    宿泊業、飲食サービス業 65.3%
    生活関連サービス業、娯楽業 36.84%
    サービス業(他に分類されないもの) 45.43%

    卸売業や小売業は、業種の特性上、売上原価の9割以上を商品の仕入れが占めるタイプの業種です。特に卸売業は、11業種のなかでもっとも売上総利益率が低くなっています。これは、製品に付加価値を与えるのではなく、大量に仕入れて大量に卸すことで利益を生んでいるからです。

    一方、売上総利益率が比較的高いのは、情報通信業や学術研究、専門・技術サービス業です。売上原価の多くを労務費や外注費が占めており、専門知識やスキルによって付加価値を生み出している業態と言えるでしょう。

    ビジネスモデルや経営戦略によっても、指標とする売上総利益率は異なってくるため、業界平均を参考にしながら目標設定をすることが重要です。

    売上総利益率を改善するには

    もし業種平均に比べて自社の売上総利益率が低かった場合は、何かしらの改善が必要な状況だと考えられます。売上総利益率を改善するには、以下の3つの方法が有効です。

    売上原価を削減する

    売上原価が少なければ少ないほど、売上総利益率は向上します。そのため、まずは売上原価を見直して削減を図りましょう。具体的には、以下のような削減方法が考えられます。

    • 単価がより安い原材料へ切り替える
    • 仕入れ先の変更・交渉などで仕入価格を下げる
    • 業務効率を上げて労務費を下げる

    材料費や仕入れにかかる費用を減らすだけでなく、業務を効率化することによる労務費の削減も売上総利益率向上に有効です。特に広告業やIT業など、原価の大半を労務費が占める業種においては、労務費の削減によって大きな効果を得られるでしょう。

    価格・販売形態を見直す

    商品・サービスの価格や販売形態を見直し、より多くの売上高を得ることで売上総利益率を上げる方法もあります。価格設定に関しては、さまざまな考え方や戦略があるため、こちらの記事を参考に見直してみてください。

    プライシングとは?価格戦略における利益と顧客満足度の高め方

    販売形態については、たとえばシステムを販売している企業であれば買い切り型からSaaSに変更して顧客生涯価値(LTVを上げる方法が考えられます。また、複数の既存製品の機能を合わせ持つ製品や、顧客体験を高めた高級路線の製品へ変更するなど、付加価値を高めることで価格を上げることも有効です。

    売上高を増やす

    売上原価の削減、価格の見直しと同時に、売上高を増やすことで売上総利益率を上げられます。そのために有効なのは、販売数を増やす方法です。具体的には、以下のような施策が考えられます。

    • 新規顧客を獲得する
    • リピーターを増やす
    • 商品・サービスの認知度を上げる
    • 新規の商品・サービスを開発する

    また、売上総利益率の高い商品やサービスの販売に注力することで、全体の売上総利益率を上げることもできるでしょう。売上高を増やすには、まず売上分析を行ってどこに手を打つべきか検討するのが効率的です。売上分析の考え方や手法については、こちらの記事を参照してください。

    売上分析とは?売上をアップさせるデータ収集・分析・可視化のコツ

    売上総利益率を経営戦略に活かす

    売上総利益は一般的に、会社の業績を表す損益計算書作成のために算出される数字です。 さらに管理会計の視点では、商品・サービスごとの売上総利益率を細かく算出することで、販売・経営戦略の立案や改善に活用できるものでもあります。つまり、売上総利益率を改善することが、企業の収益性を向上させることにつながるのです。

    製品・サービスごとの売上総利益がわかれば、収益性の高い製品・サービスの販売に注力したり、収益性の低い製品・サービスの要因分析を行なったりといった施策の実施や、市場から撤退する等の判断もできるようになります。もし売上総利益率が低いようであれば、上述した改善方法で販売戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

    まとめ

    売上高から売上原価を差し引いた売上総利益は、企業のおおまかな収益性を図る指標のひとつです。売上総利益の高さは、企業が市場に提供する付加価値の高さであるため、この数値を向上させることが企業にとっては重要だと言えます。

    自社の売上総利益が高いかどうかは、売上総利益率を出すことで判断できます。売上総利益率は業種によって大きく異なるため、自社の業種平均を知ったうえで適正であるかどうかを判断しましょう。

    売上総利益率の改善には、売上原価の削減や価格の見直し、売上高拡大などの方法が考えられるものの、いずれにしても現在かかっている費用や利益とその内訳を正確に把握しておく必要があります。売上総利益率を経営戦略や販売戦略に活かすためにも、まずは自社の経営数値を正しく管理する管理会計の仕組みを整えていきましょう。

    参考

    *1:令和4年中小企業実態基本調査|中小企業庁

    Q
    売上高と売上総利益の違いは何ですか?
    A
    売上高は企業の製品・サービスを販売して得られた金額、売上総利益は売上高から売上原価を差し引いた利益という違いがあります。詳しくは売上総利益とは?をご覧ください。
    Q
    売上総利益率の求め方は?
    A
    売上総利益率は以下の計算式で算出できます。
    ・売上総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100
    詳しくは売上総利益率からわかることをご覧ください。

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    矢野 由起

    この記事の筆者

    ライター

    矢野 由起

    製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

    吉井 惇

    この記事の監修者

    株式会社オロ クラウドソリューション事業部 マーケティンググループ長/Reformaチーム長

    吉井 惇

    2013年株式会社オロに新卒入社。クラウドERP「ZAC」の新規営業、人事採用担当を歴任。現在はZACの姉妹製品「Reforma PSA」のプロダクト責任者および、「ZAC」マーケティンググループのグループ長を兼任している。