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原価管理とは?目的やメリット、原価計算との違いを解説

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2022/2/25公開

企業が利益を生み出して成長を続けるためには、原価管理が欠かせません。ただし、業種によって原価の考え方や把握すべき費用が異なるため、自社の特性に合わせた管理を行う必要があります。

本記事では、主にプロジェクト型ビジネスを行う業種の原価管理について、管理すべき項目や実際に原価管理を行う際の基本的な流れを解説します。正確かつスピーディーに原価管理を行う方法についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

    原価管理(コストマネジメント)とは

    原価管理とは大きく3つに分けられます。

    1. 原価を正しく見積もること(標準原価の設定)
    2. 実際の原価を把握し、差異を認識すること 
    3. ①と②を実施したうえで、標準原価と実際の原価の差異について改善を行うこと です。

    原価には材料費だけでなく、労務費や販売管理費、社屋の家賃など、さまざまな費用が含まれます。 業種によって管理すべき原価が異なるため、正確に算出するためには業種ごとの違いを知っておかなければなりません。ここでは、IT業・広告業・士業の3業種における原価管理を解説します。

    ソフトウェア開発・IT業の原価管理

    ソフトウェア開発やゲーム制作などを行うIT業では、ひとつのプロジェクトが完了するまでにかかったコストを原価として管理します。代表的な原価は、従業員の労務費や外注委託費、経費です。労務費に関しては、プロジェクトに直接的に関わる社員の労務費(直接労務費)と、プロジェクトには直接的には関わらない社員(間接労務費)とに分けられます。

    IT業の原価管理の難しさは、ひとつの製品・サービスを生み出すまでの工数が予測できなかったり、可視化しづらかったりして、あらかじめ見積もった原価が上振れることが多く、正確な原価を把握しづらいことが特徴です。 また、工数が原価に直結することを一人ひとりが意識しづらいため、いつの間にか膨大な費用がかかっているという状態にもなりかねません。各プロジェクトの原価をいかにタイムリーかつ正確に把握するかが、ソフトウェア開発・IT業における原価管理のポイントとなります。

    広告業の原価管理

    広告制作会社や広告代理店などの広告業は、ひとつのプロジェクトにさまざまな原価が発生し、それらを全て紐づけて管理しなければなりません。

    たとえば新商品のプロモーションに発生する原価は、非常に多種多様です。コンペ準備や広告制作にかかる人件費、広告に使う写真や動画の撮影費、キャンペーン期間に広告運用を委託した際の外注費などが原価になります。ひとつのプロジェクト・広告にさまざまなステークホルダーがいるため、それぞれどれくらいの費用を外注しているのかを把握する必要があります。

    また、制作を行う従業員がそのプロジェクトにかける工数も、正確な管理が求められます。 ただし、制作を進めるなかで想定よりも労務費が増えることになったり、必要な素材が変わってくることもあり、タイムリーな原価管理が難しいのが実情です。成り行きで進めてしまうと原価がかかりすぎてしまい、「終わってみたら赤字プロジェクトだった」ということもあるため注意しなければなりません。

    士業の原価管理

    専門性の高い知識労働が中心の士業では、従業員の労務費が原価のほとんどを占めます。他にかかる原価は、事務用品を購入する経費や、事務所の家賃・光熱費といった固定費です。そのため士業の原価は、ひとつの案件に対してどれほど工数をかけるのかによって大きく変動します。 しかし、ひとりで複数案件を抱えていることも多く、それぞれの案件に工数を振り分ける習慣がなければ、正確な原価管理が難しいという特徴があります。

    士業のような事業では、案件に時間を投入するほど利益が上がる仕組みです。そのため、非稼働・手待ちが発生すると利益の逸失につながるため、効率的に稼働できるような管理が必要となります。士業において利益を最大化するためには、コンサルタントのリソース状況の可視化が重要です。

    つまり、そもそも効率的なアサイン管理ができているか?という観点から考える必要があります。同時に従業員がそれぞれスキルを上げる取り組みも欠かせません。

    原価計算との違い

    原価計算との違い

    原価管理と間違えやすい言葉のひとつに、「原価計算」があります。しかし、原価計算は製品・サービスにかかった費用を算出する作業を指しています。一方の原価管理は、原価計算によって求められた結果をもとに、企業の利益を最大化させるための原価を設定することや標準原価と実績を比較し、標準原価を超えないようにコントロールすることです。

    つまり原価計算は、正確な原価管理のための手段のひとつと言えます。原価計算ができていても、原価管理が行えているわけではない点に注意しましょう。原価計算については下記の関連記事をご覧ください。

    【図解あり】原価計算の基本の考え方

    予算管理との違い

    予算管理との違い

    「予算管理」も、原価管理と同じく「管理」することを指しているので、意味を混同してしまうかもしれません。予算管理は、企業の経営計画をもとに作られた予算の計画と実績を月次単位で把握して分析することです。 予算管理を行う場合、まずは経営層の方針に基づいて予算案を作成します。次に、承認された予算に基づいて実績値との比較を行い、計画通りに実行されているかどうか随時チェックする必要があります。

    一方、原価管理はその予算に組み込まれた原価の目標値と実績値を管理することです。そのため、原価管理は予算管理の一部だと言えます。 予算管理については、下記の関連記事をご覧ください。

    予算管理の基礎知識。業務フローから、身に付けておきたいスキルまで

    利益管理との違い

    利益管理との違い

    「利益管理」も、原価管理と混同されやすい言葉のひとつです。利益管理とは、経営計画によってあらかじめ定められた利益目標と一定時点での利益の実績値との差を分析し、目標に達するよう管理することを指します。 利益管理において利益を算出するためには、そもそも原価がどれくらいかかっているのかを把握しておかなければなりません。つまり、利益管理を行うためには原価管理が欠かせないということです。

    原価管理の目的とメリット

    原価管理を行う目的は、大きく2つあります。1つ目は、企業の利益確保のためです。利益を確保するためには、製品・サービスに対する適正な原価設定が欠かせません。そして適正な原価を設定するためには、製品・サービスの提供を行うにあたりどれほどの原価がかかったのか正確に把握・計算する必要があります。

    仮にすべての製品・サービスがオーダーメイドだったとしても、似たようなパターンの原価を把握しておけば、得られる利益に大きな差は生まれにくいでしょう。 2つ目の目的は、リスク管理のためです。原価は常に一定ではなく、そのときの社会情勢や条件によって変動するものです。原価が変動しても、適正な原価管理ができていれば即座に対策を講じることができ、企業としての損失を最小限にできます。

    このように、原価管理を行うことで不要なコストを削って利益を確保できるようになったり、損益分岐点が明確になって経営判断が行いやすくなったりと、企業を経営するうえで大きなメリットがあるのです。

    原価管理の基本的な流れ

    実際に原価管理を行う場合、大きく分けて4つのステップが必要です。それぞれのステップで何を行い、何を意識すべきか、具体的に解説していきます。

    標準原価の設定

    まずは、標準原価の設定を行います。標準原価とは、製品やサービスを作るときにかかる原価の目安のことです。その製品・サービスに近い過去のデータや市場調査などから原価を予測し、制作に入る前に設定します。 標準原価はあくまで目標値なので、必ずしも標準原価内に収めなければならないわけではありません。

    しかし、この標準原価をもとに利益を検討するため、可能な限り差が開かないようにする必要があります。標準原価があれば、制作が終わった際の実際原価との差や差が生じた要因を分析できるため、必ず制作前に設定しておきましょう。

    原価計算

    制作を始めたら、実際にかかった原価を計算していきます。ここで得られた値をもとに原価管理を行うため、正確に計算することが重要です。原価に含めるべき要素が漏れなく算入できているかどうかも、原価計算のポイントとなります。 原価計算の方法も、業種や製品・サービスによって種類が異なります。自社に合った方法を選んで原価計算を行いましょう。

    差異分析

    原価計算が終わったところで、標準原価とどれくらいの差が生まれたのか分析を行います。分析する際には、原価を構成する各要素の実際原価と標準原価を比べて、どの要素にどれほど差が出ているのかを比較することが大切です。 分析した結果、標準原価より低い原価で終えられたのなら、利益の大きい製品・サービスということになります。

    原価改善

    差異分析によって、標準原価を上回っているなど問題のある要素が見つかったら、改善できる点を検討しましょう。たとえば、あるプロジェクトでの人件費が標準原価より大きく上回っていた場合、プロジェクトの計画に問題があったのか、それとも従業員のスキルに問題があったのかなどと考えられる要因を予測していきます。

    そのうえで、真因を特定して対策を検討します。対策のひとつとして「標準単価を見直すこと」があります。事前に設定した標準原価が精緻に設定できているとは限らないため、適宜見直すことが大切です。そして、次に同じようなプロジェクトを受ける場合には、とるべき行動を具体化しておくことが、原価を改善するためには重要です。

    システムを使い、正確でスピーディーな原価管理を実現

    原価管理を行うには、まず正確な原価を把握することが重要です。そのうえで、ミスなく原価計算を行い、標準原価との差を分析しなければなりません。しかしIT業や広告業など、プロジェクト型ビジネスを行う企業の場合、それぞれのプロジェクトにかかる原価を正確に把握することは難しいものです。

    また、配賦を行う場合はさらに計算が煩雑になります。 そこで、プロジェクト原価管理システムの活用がおすすめです。システムを活用することで、必要なデータを揃えるだけでミスや漏れがなく、自動的に原価を計算できます。

    本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP『ZAC』は、プロジェクト型ビジネスのためのシステムです。案件に対して従業員の労務費や外注委託費、経費など複数原価を紐づけができ、進捗中の案件の原価を把握可能です。さらに工数管理機能と連携して、従業員の労働時間や工数から自動的に労務費を算出します。正確かつスピーディーな原価管理を行いたいとお考えなら、ZACのようなシステムを活用してみてはいかがでしょうか。

    まとめ

    製品やサービスを作り出すためにかかる費用を計算し、適正な原価になるよう改善・調整する原価管理。業種によって、原価として管理すべき項目が異なる点に注意が必要です。特にプロジェクト型ビジネスを営む業種では、さまざまな原価の正確な管理が重要となります。

    ただし、従業員が各プロジェクトのためにかけた工数を正確かつタイムリーに把握することは難しいため、システムを活用するなど工夫が必要です。また、原価を把握するだけで利益を向上させられるわけではないため、適正値へと改善させなければなりません。原価改善に向けた具体的なアクションについては、「プロジェクト別原価計算ガイド」を参考にしてください。

    プロジェクト別原価計算ガイド

    赤字プロジェクトの原因を分析し、根本的な解決を手助けするガイドブックです。原価計算を行う5つの目的から、広告業やIT業界などに特有のプロジェクト型の原価計算の「鍵」までわかりやすくまとめました。

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    矢野 由起

    この記事の筆者

    ライター

    矢野 由起

    製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

    渡辺 篤史

    この記事の監修者

    株式会社オロ クラウドソリューション事業部 顧客支援グループ コンサルタント / 中小企業診断士

    渡辺 篤史

    2011年入社以降、クラウドERP「ZAC」の導入支援を担当。現在は主に大規模案件を中心に要件定義や導入支援を行っている。導入支援チームのマネジメントも行う。中小企業の業務プロセスに通じる。

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